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「着席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

着席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
六銭と五厘! たいしたことになりました。これなら馬は駈けますぜ」 御者はすでに着席して出発の用意せり。世話人は酒手を紙に包みて持ち行きつ。 「おい、若い衆さん....
海底大陸」より 著者:海野十三
のことじゃろう。後の話は博士にお願いした方がよいとおもうから、わしはこのへんで、着席させてもらうとしよう」 ドリー助教授は長良川博士のほうに、合図のような敬礼....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
もない……はいって来た警官達は、すぐにバラバラと散り拡がると、どうです、キチンと着席して、これから始まろうと云う公判を固唾を飲んで待ちかまえていた傍聴人を――そ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
かにはいってその席につき、まず床の間の絵または生花に敬意を表する。主人は、客が皆着席して部屋が静まりきり、茶釜にたぎる湯の音を除いては、何一つ静けさを破るものも....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
唐の宝応年中、李の家で親友を大勢よびあつめて、広間で飯を食うことになった。一同が着席したときに、門外に不思議のことが起ったと、奉公人らが知らせて来た。 「何百匹....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
と見え、裁判長は矢張り前と同じように大股にゆっくりと歩んで現われて来た。 彼は着席すると直に証人を呼びかけた。 「改めてもう一度聞くが、証人は果して法律上の其....
流線間諜」より 著者:海野十三
、どうやらそれはこの一団の隠し言葉であって自分の名乗をあげたものらしかった。 「着席!」 「右足のない梟」と叫んだ首領は、そこで自ら先に立って席に坐った。一同も....
」より 著者:秋田滋
情を刺戟した。忿怒の身顫いが傍聴人たちの間をつたわって行った。論告を了って検事が着席すると、 「死刑だ!」 「死刑にしろ!」 傍聴人たちは口々にそう叫びだした....
外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
ホールの中へはいって貰い、外相の殺されたところに、首相とI警視総監に先夜のように着席してもらった。人々はどんなことをするのかと片唾を嚥んだが、その時首相から二|....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
。 「――旅客機に会ったのは午前十一時二十四分。その時に操縦室に操縦士と機関士が着席し、客室に二名の乗客が練習機の方を窓を開けて眺めていた」 報告を受取ると池....
呪われの家」より 著者:小酒井不木
い。刑事はしずかに秘密の暴露される時機を待つことに決定した。やがて園田即ち鬼頭は着席した。 「ゆっくりしたまえ」と警部はやさしい態度で言った。「君は殺された女を....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
いな、妹よ、何だか胸が熱くなる。紺の袴は、入口の茶棚|傍を勢い然るように及んで、着席です。 「牛が宜しい……書生流に、おおん。」 亭主のすきな赤烏帽子を指揮す....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、縉紳貴夫人、あまた、かつは主だったる有志はじめ、ワキツレ囃子方まで打揃い、最早着席|罷在る次第――開会は五時と申すに、既に八時を過ぎました。幹事連の焦心苦慮|....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
間も浪費したのでしたが、それがいっさいむだだったわけであります」 そこで、彼は着席した。審理は再びコオクの司会下に戻った。一揆の共犯者たちの陳述書が読み上げら....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
言うた。 その時、葬儀執行の第一鐘が鳴った。そして市設の葬儀場へ数百の会葬者が着席した。市会議員連も同じく着席した。 市長は喪主菊子嬢と同列で親族席に坐って....