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「着替える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

着替えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
は七月にはいると間もなくのことであった。太田は柿色《かきいろ》の囚衣を青い囚衣に着替えると、小さな連絡船に乗って、翠巒《すいらん》のおのずから溶けて流れ出たかと....
俊寛」より 著者:菊池寛
経と康頼とがその垢じみた衣類を脱ぎ捨てて、都にいる縁者から贈られた真新しい衣類に着替えるのを見た。嬉し涙をこぼしながら、親しい者からの消息を読んでいるのを見た。....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
でに動き出していた。 葉子はすごすご水菓子を自動車に載せて、帰って来た。そして着替える隙もなく、その籠を彼の田舎の家へ送るために、母と二人で荷造りを初めた。籠....
新世帯」より 著者:徳田秋声
と、お国は急に押入れを開けて、行李の中を掻き廻していたが、帯を締め直して、羽織を着替えると、二人に、更まった挨拶をして、出て行こうとした。 その様子が、ひどく....
」より 著者:徳田秋声
村は玄関から茶の室へ顔を出して、夫人に先生の容態を尋ねなどした。 「先刻も着物を着替えるとき、ああすっかり痩せてしまった、こんなにしても快くならないようじゃとて....
竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
などを引っぱり出し、おなじみの信乃や道節、孔明や関羽に親しむ。この室は女の衣装を着替える所になっていたので、四面にずらりと衣桁を並ベ、衣紋竹を掛けつらねて、派手....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
った様子でありましたから、お松は立って行きました。そうしてお松は、能登守の着物を着替える世話をしてやりました。能登守はお松の親切を喜んで、打解けて見えます。 ....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
事はありません、お蔭で私も一軒旦那場が殖えたので」 山「のべつに喋るなよ、着物を着替えるから早く出せ」 馬「着物をお着替なさい、だが箪笥は錠が下りて居ます、鍵は....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かけました。それから後の神尾主膳の挙動は気忙しいもので、面《かお》を洗う、着物を着替える、家来を呼ぶ、配下の同心と小人《こびと》とを呼びにやる、女中を叱る、小者....
田舎がえり」より 著者:林芙美子
所同士だった。熱海《あたみ》あたりで眼が覚めると、前の娘さんは帯をといて寝巻きに着替える処《ところ》だった。羽織と着物を袖《そで》だたみにして風呂敷に包むと、少....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。心を定めかねて家へ帰った。気がついて時計をながめてみると、もう芝居へ行くために着替えるだけの時間しかなかった。いずれにしても切符を無駄《むだ》にするのはあまり....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
「その他に変った事はありませんでしたか」 「ええ、他にはありません。先生は寝衣に着替えると、直ぐ寝台に潜り込まれました。そうして、帰って呉れ給えといわれたのです....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
結婚式のあとではちょっとした茶菓さえ出なかった。新夫婦はシャンパンの盃を挙げて、それから直ぐ旅行服に着替えると停車場へ乗りつけた。陽気な結婚舞踏会や晩餐や、音楽や舞踊の代りに、彼等....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
まるものを着てはいられない。半日は家に居て昼からちょっと出るというようになって、着替えるのも手数だから、長い着物の尻をくるりとまくり、または腕まくりもできないか....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
あったと言われている。これは父親がこの人魚の肉を一きれそっと持って還って、着物を着替えるときに畳の上に取落したのを、まだ這いまわるほどの小さい児であって、何も知....