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「着用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

着用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
ました。連日の心労に憔悴《しょうすい》し切った私が、花婿《はなむこ》らしい紋服を着用して、いかめしく金屏風を立てめぐらした広間へ案内された時、どれほど私は今日《....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ったのに違いありません。しかしあの外出する時は、必ず巴里《パリイ》仕立ての洋服を着用した、どこまでも開化の紳士を以て任じていた三浦にしては、余り見染め方が紋切型....
」より 著者:芥川竜之介
黒い鍔広《つばびろ》の帽子をかぶって、安物《やすもの》らしい猟服《りょうふく》を着用して、葡萄色《ぶどういろ》のボヘミアン・ネクタイを結んで――と云えば大抵《た....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ばかりではない。男は確かに砂埃《すなほこ》りにまみれたぼろぼろの上衣《うわぎ》を着用している。常子はこの男の姿にほとんど恐怖に近いものを感じた。 「何か御用でご....
婦系図」より 著者:泉鏡花
不愛想に分れたが、何も車屋へ捜りを入れずともの事だ、またそれにしても、モオニング着用は何事だと、苦々しさ一方ならず。 曲角の漬物屋、ここいらへも探偵が入ったろ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
十七名もあろうか。電気学会長である帝大工学部長の川山博士の白頭や、珍らしく背広を着用に及んでいる白皙長身の海軍技術本部長の蓑浦中将や、テレヴィジョンで有名なW大....
海底大陸」より 著者:海野十三
海底超人は英国の討伐飛行隊よりうけたまえの損害にこりて、こんどは防毒衣をつくって着用していたものらしい。 今やロンドン市民は、すっかり後悔のなみだにくれている....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
より、美味の膳部の多くは彼らの創案したものである。彼らは落ち着いた色の衣服をのみ着用せよと教えた。また生花に接する正しい精神を教えてくれた。彼らは、人間は生来簡....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
更に最後の審判をうけるべく怖ろしい決心を固めた。 彼はいつも神前に礼拝する時に着用する白い狩衣のようなものを身につけて、それに石油をしたたかに注ぎかけておいて....
火星探険」より 著者:海野十三
事をも、つとめる源であった。 上陸用空気服の点検は終った。各自はいつでもこれを着用できる準備をととのえた。 デニー博士は、第三の命令を発した。それは各自が、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽蝶の漆紋に、袴着用、大刀がわりの杖を片手に、芝居の意休を一ゆがきして洒然と灰汁を抜いたような、....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
送られたものじゃが、今ではただの旅人宿。出て来る給仕の女とても、山猿がただ衣服を着用したばかりでのう」と説明の委しいのは既にこの土地に馴染の証拠。 「したが、女....
」より 著者:犬田卯
助役を囲んで雑談しながらちびりちびりはじめていたのである。 やがてモーニングを着用した堂々たる瘤のご入来であった。六十五歳とはどうしても思われない六尺ゆたかの....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に法王に接見することあたわず。当日入場のものは特別の許可を得るを要し、かつ礼服を着用せざるべからず。しかして平日は法王深殿中に起居し、絶えて市中に出ずることなし....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
佐々木とも私には十数年ぶり、卒業以来である。私達は今いずれもしかつめらしく洋服を着用に及んでいるが、いわばこれは人生の殻であろう。あの当時は卒業を間近かにひかえ....