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着目
「着目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
品物が品物だからおそらくたんすか長持ちといったような貴重品の入れてある家財道具に
着目すべきところを、右門は例のごとくその逆のからめてをたどって、なるべくなんでも....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ことは出来ない。米国資本家の如きは、早くも黄河の氾濫地帯が棉花栽培に適することに
着目し、調査の歩を進めている。もし、この地に棉産を得るとせば、日本は米国より棉花....
「惜別」より 著者:太宰治
むつかしい思想の著述はおぼつかないので、まず民衆に対する初歩教育のつもりで文芸に
着目し、ただいま世界各国の文芸を研究しています、なんて、そんな、先生にとっては全....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
は感動と尊敬をもっておききしました。人口いくばくもない辺地の診察室で、この事実に
着目して診療に当っていられることは、同氏の研究熱心と、深い学識と、医師としての良....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
のジャイロスコピック・アクションに起因する盤の振動によるものであろうということに
着目して、この不可解の問題を解決した。これらと聯関して舶用のタービン・ロートルの....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
って、静かに語りはじめた。 「犯人は足利の仁助さ。六人家族に目が一ツ半。この理に
着目すれば謎はおのずから解けらアな。新十郎の云うように、ほかのことには手をつけず....
「省察」より 著者:デカルトルネ
の精神はかように何らかの偶有性から成るのではなく、純粋な実体であるということ、に
着目せられねばならぬ。というのは、たといその一切の偶有性が変化せられ、その結果、....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ますものと、そのものの実際の姿、ほんとうのありさまとはたいへん違っている。宗教の
着目すべきところは、そういう真実のありさま、「実相諦観」実際のありさまを諦観する....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
値を認められません』 私はなるほどと思い、その教えを深く感謝した。この山葡萄に
着目したのは私ばかりでなく、福島県岩手県等でこれから葡萄液を製造することを思いつ....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
加熱された水のようなものである。蒸気に転化する可能性を持っている。だから、兵卒に
着目したことには意義がある。 花袋は、独歩の如く、将校はいゝんだが、下士以下は....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
って、劇にとって、異性に扮することは不自然でも不都合でもない。同性は各自の短所に
着目し合って、その長所に対しては酷であり、イビツでもあり、ひねくれがちであるが、....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
ところが、近ごろ猫の奴が少なくなったは困った。そして、近所の飼主がわが輩の挙動に
着目して、うろんの眼でわが輩を見るには閉口だが、まだ一度も抗議は申し立ててこん。....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
ってよい。思想方面は殊にそうである。インドの思想方面というものがヨーロッパの人の
着目している所で、ヨーロッパの倫理も行き詰まり、宗教も行き詰まり、すべてに行き詰....
「審判」より 著者:カフカフランツ
いないようだ、ということが繰返し強調されている。しかしその点に関してなんら著しく
着目すべきことは見られない。なぜなら、この見解によると門番はもっとずっと重い錯覚....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
望を裏切られて失望するにちがいありません」 それに対するエセックスの返事こそ、
着目すべきものであった。彼は自分に対しても友人に対しても、悪いことをしているとは....