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「睡り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

睡りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
にいったとかで、母が一人大きな家に留守居していた。日あたりのよい奥のえん側に、居睡りもしないで一心にほぐしものをやっていられる。省作は表口からは上がらないで、内....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
。 尼僧は僕に一杯の白湯をふるまったあとで、 「ではもうお疲れでしょうから、お睡りなさいませ。但し他所から衾をとってくることもなりませぬからわたくしと一つ寝と....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ほどして起きたり。 ところが七月七日の午前一時頃痰が赤くなりはじめ、就寝せるも睡りやらず、しきりに痰出でて目がさめ、そのうちに午前四時頃喀血す。従来に比して多....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
に雪駄穿で居たのである。 「馬鹿にしやがれ。へッ、」 と唐突に毒を吐いたは、立睡りで居た頬被りで、弥蔵の肱を、ぐいぐいと懐中から、八ツ当りに突掛けながら、 「....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ず、階を上って拝殿に入った。が、額の下の高麗べりの畳の隅に、人形のようになって坐睡りをしていた、十四になる緋の袴の巫女を、いきなり、引立てて、袴を脱がせ、衣を剥....
南地心中」より 著者:泉鏡花
染みた。 その爺さんがね、見ると……その時、角兵衛という風で、頭を動かす……坐睡りか、と思うと悶いたんだ。仰向けに反って、両手の握拳で、肩を敲こうとするが、ひ....
母への追慕」より 著者:上村松園
ばしい匂いが寝間にまでただよって来て、私はその匂いを嗅ぎながらふたたびうとうとと睡りにおちたものである。 ぱらばら、ぱらぱらと、しめったお茶を焙じている音を、....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
まもなく解ってしまった、孫子であればこそ丸い輪が本当に書けるんだ。そう思って彼は睡りに就いた。 ところがその晩挙人老爺はなかなか睡れなかった。彼は少尉殿と仲た....
明日」より 著者:井上紅梅
腰を卸すと、身内からにじみ出た汗のために著物が冷りと肌に触った。一休みして寶兒が睡りについたのを見て歩き出すと、また支え切れなくなった。するとたちまち耳元で人声....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
いるんだえ? ほんとうにお前位、ずうずうしい女はありゃしないよ。きっと又台所で居睡りか何かしていたんだろう?」 恵蓮はいくら叱られても、じっと俯向いたまま黙っ....
村芝居」より 著者:井上紅梅
り多くの人を見なかった。田舎者はあすの仕事があるから、夜になると我慢が出来ず皆|睡りに行った。ちらばら立っているのはこの村と隣の村の閑人であった。黒い苫船の中に....
暗号数字」より 著者:海野十三
もなれ! そのうちに酒が身体に廻ってきた。疲労の果か酒のせいか、彼はうとうとと睡りはじめた。 謎は解けた ぱっと目がさめたとき、彼は急に気分のよくなっ....
取舵」より 著者:泉鏡花
廩はついに蒸風呂となりぬ。婦女等は苦悶に苦悶を重ねて、人心地を覚えざるもありき。睡りたるか、覚めたるか、身動きもせで臥したりし盲人はやにわに起上りて、 「はてな....
多神教」より 著者:泉鏡花
。……艶々と媚めいた婦じゃが、ええ、驚かしおった、おのれ! しかも、のうのうと居睡りくさって、何処に、馬の通るを知らぬ婦があるものか、野放図な奴めが。――いやい....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
しの友だちが来かかって、抱起したので助って、胸を痛めもしませんだが、もう一息で、睡りながら川へ流れます処。すればこの石は大恩人。これがあったために躓いたのでござ....