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督促
「督促〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
督促の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
しながら誓った送金は、いつが来ても実現しなかった。雄吉は堪らなくなって、二、三度
督促の手紙を出した。青木からは、それに対して一通のハガキさえ来なかった。彼は、最....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
わけだ。ここで説明したまえ」 総監は、警視の沈黙をよく憶えていて、ここで返事を
督促したのであった。 警視は、そういわれると、自分で椅子を総監の方に進めながら....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
だから、早くお前さんにお嫁さんを貰って、本当の楽をしたいものだね」世間並に結婚を
督促した。 「僕の家内は金魚ですよ」 酔いに紛れて、そういう人事には楔をうって....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
腰を埋めて、折から執拗に鳴り続ける、電話の鈴に眉を顰めた。
「あれはたぶん熊城の
督促だろうがね。死体は逃げっこないのだから、まずゆっくりするとしてだ。そこで、そ....
「骨董」より 著者:幸田露伴
をよくしているのである。野暮でない、洒落切った税というもので、いやいや出す税や、
督促を食った末に女房の帯を質屋へたたき込んで出す税とは訳が違う金なのだから、同じ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の記憶につながっていた。この二人に言わせると、日ごろ上に立つ人たちからやかましく
督促せらるることは、街道のよい整理である。言葉をかえて言えば、封建社会の「秩序」....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ない証拠であるのか、いずれとも言えないことであった。ともあれ、いかに支庁の役人が
督促しようとも、このまま山林規則のお請けをして、泣き寝入りにすべきこととは彼には....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
すか?』 『今は芝浦に碇泊しています。何んでも荷物の積込みが遅れたとかって船主の
督促で、昨晩日が暮れてから修繕が終ると、その儘大急ぎで小蒸汽に曳航されて出渠しま....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
ある。お菊は息もしないでじっと聴いていると、播磨はすぐに返事をしなかった。伯母に
督促されて、彼はこんなことを静かにいい出した。 「お言葉はよく判りましたが、余の....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
ずるよりも、自分自身の臆病な、卑屈な心をつくづく羞かしく思うた。彼が今、しきりに
督促に遇っている借財の口は都合三ツあって、それを片附けるには百弐拾円と少しなけれ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
理人、何某』と印刷された文書に、大きな、眼玉の飛び出しそうな朱印をきちんと捺した
督促状が、付近の債務者のもとへ届けられるようになったのである。 もっともこれら....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
る所か、月と共にグングン増えて、いつか元利積って二百円余りになった。玉島は少しも
督促の手を緩めず、殊に年の暮が近づいて来ると、毎日のように喚めき立てに来るのだっ....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
両と云う途方もない借財を拵えていましたが、前宗と云う男が、聞えた因業屋で、厳しい
督促が続いたものですから、祖母の父はその
督促|除けと云ったような形で、又別の意味....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、膝詰の揮毫となる処へ、かさねて、某新聞の記者、こちらは月曜附録とかいう歌の選の
督促で一足|後れたが、おくれただけ、なお怒ったように、階子段を、洋袴の割股で押上....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
もっと具体的なことが書きたい。然し今は病人をひかえていてそれが出来ない、雑誌社の
督促に打ちまけて単にこれだけを記して責をふさいでおく。....