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睦まじい
「睦まじい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
睦まじいの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
しない。まして忠通と頼長とはその性格の相違から、うわべはともあれ、内心はたがいに
睦まじい仲ではなかった。頼長が兄を文弱と軽しめていることは、忠通の耳に薄々洩れき....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
。 「わたしの人にくらべると、半さまは情愛のふかい、正直一方のお人、お前と二人が
睦まじい様子を見せられると、妬《ねた》ましいほどに羨まれる」と、お花は折りおりに....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
云うまでもなく、オシノ婆さんと嫁女のオツヤとの仲が、親身の間柄でも珍らしいくらい
睦まじいので、近所の評判になっていた。敬吾がつとめに出かけた留守中に、嫁女のツヤ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
らぬと、極端に力を入れてそれを気にしていた。それであるから、姉妹もただならぬほど
睦まじいおはまがありながら、別後一度も、相思の意を交換した事はない。 表面すこ....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
後の心持などを憶い出して、つまらぬことをも意味ありそうに話し出した。こうした仲の
睦まじい時、よく双方の親兄弟の噂などが出る。親戚の話や、自分らの幼い折の話なども....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
ねえ。が、俺ら辛えや。昔のことー思い出すのが辛えや、なあおっかあ! 俺ら何ちゅう
睦まじいこったったろうなあ」 新さんの眼からは、滝のような涙がこぼれた。押し切....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
まらぬ舞を舞う。 この到らぬ隈もない音と音との調和、物と影との離れることのない
睦まじい結合を繞《めぐ》って、ゆるやかに脈打つ生命の力を感じるとき。彼女は祈らず....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
、「ねえお前さん、今夜こそは除夜の鐘を聞こうじゃありませんか。百八つでしたね」と
睦まじいものなり。 こうして歳の大晦日はいつも夜あかし、明けがたにトロトロと火....
「源氏物語」より 著者:紫式部
大将のために衛門督が妻の兄であるというばかりでなく、古くからの友情が互いにあって
睦まじい青年たちであるから、一方がなんらかの煩悶にとらえられているのを、今一人が....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
の道具に数え、戻り路は角の歌川へ軾を着けさせ俊雄が受けたる酒盃を小春に注がせてお
睦まじいと※より易い世辞この手とこの手とこう合わせて相生の松ソレと突きやったる出....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
は声を懸けて向直ったが返事をしなかったので、 「貴方|憚り様ですが呼鈴を、」とお
睦まじい。 すなわち傍なる一閑張の机、ここで書見をするとも見えず、帙入の歌の集....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
つ先へ行こうよ」 「姉ぎみと、相鞍で」 「夜半すぎだ、おかしくもあるまい」 「お
睦まじいと、昼なれば、鎌倉じゅうが羨みましょう。では、私は、正門の方へ声をかけて....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
夜。ふぐ料理の豊作で招待に甘える。 十人あまり膝づめに詰め合う。こう狭いのも
睦まじい。河豚は別府の比でないこともちろん。ヒゲツキ節は、本社が近すぎるせいか、....