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「睨み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

睨みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
受けるよりも先だったかもわかりませぬ。けれどもとにかく相打ちをした二人は四度目の睨み合いへはいりました。すると今度もしかけたのは数馬からでございました。数馬はも....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
していると、場主の眼がまた床の間からこっちに帰って来そうになった。仁右衛門は二度睨みつけられるのを恐れるあまりに、無器用な足どりで畳の上ににちゃっにちゃっと音を....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
なたぼっこしながら衣物を縫っていた婆やが、眼鏡をかけた顔をこちらに向けて、上眼で睨みつけながら、 「また泣かせて、兄さん悪いじゃありませんか年かさのくせに」 ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
行った事を知っているんですから、言句は言わないまでも、苦い顔をして、髯の中から一睨み睨むに違いはないんですもの、難有くないわ。母様は自分の方へ、娘が慕って行った....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
にもたたない。(マントルを投げ捨てる)しかしわたしは剣を持っている。(急に王子を睨みながら)あなたはわたしの幸福を奪うものだ。さあ尋常に勝負をしよう。わたしの剣....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
戦争は多く自分の国の利益のために戦うものと思っております。今日、日本とアメリカは睨み合いであります。あるいは戦争になるかも知れません。かれらから見れば蘭印を日本....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
である。私は此の叫びを聞いて起き上ろうとすると、 待て。 とヤコフ・イリイッチが睨み据えた。 きょろきょろするない。 宜いか、生じっか何んとか云って見ろ、生命は....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
」と振向くと、……亭主いつの間にか、神棚の下に、斜と構えて、帳面を引繰って、苦く睨み、 「升屋が懸はまだ寄越さんかい。」 と算盤を、ぱちりぱちり。 「今時どう....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に訊ねられた事があった。 「ラザルス君、気の毒だな。そんなことをしてお天道さまと睨みっくらをしていると、こころもちが好いかね。」 彼は答えた。 「むむ、そうだ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そう注意されるまでもなく、私はもう先刻から一心不乱に深い統一に入って、黒雲の中を睨みつめて居たのですが、たちまち一体の竜神の雄姿がそこに鮮かに見出されました。私....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
るが如き人物である。慈悲心にとみ、熱情にとみ、自己を忘れて真理を求め、神業一つを睨みつめて、現世的欲求を棄てて顧みない人物がほしいのである。そんな人格が暁天の星....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
見ました。 「お前さんは占い者だろう?」 日本人は腕を組んだまま、婆さんの顔を睨み返しました。 「そうです」 「じゃ私の用なぞは、聞かなくてもわかっているじゃ....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
登って来たか、爛々と眼を光らせた虎が一匹、忽然と岩の上に躍り上って、杜子春の姿を睨みながら、一声高く哮りました。のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、烈しく....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
洗っていたのは、色のついた、うつ木の雪の一枚だったと言うのです。 振返って、一睨み。杜若の色も、青い虫ほどに小さくなった、小高い道に、小川が一条流れる。板の橋....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ラーの直感は革命の根本方向を狙っただけで、詳細な計画があったのではない。大目標を睨みながら大建設を強行して行くところに古き矛盾は解消されつつ進展した。もちろん平....