睨めっこ[語句情報] » 睨めっこ

「睨めっこ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

睨めっこの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
子の目撃談を解剖しますかな」 と、法水は窓際に立って、暫く中腰になり、硝子盤と睨めっこしていたが、やがて莞爾と微笑んで腰を伸ばした。杏丸医学士は、その様子を訝....
巌流島」より 著者:直木三十五
居りましたところ、最初の裡《うち》は死という事が離れにくく、覚悟をしながらも死と睨めっこする中《うち》いつか、死の事は忘れ果て、今は死の事など存じもよりませぬ」....
一太と母」より 著者:宮本百合子
よ、イーだ!」 とやりかえした。一太と忠公とは四尺ばかり離れたあっちとこっちで、睨めっこしたり、口の中に両方の小指を突こんでベッカンコをしたりして遊んだ。いい加....
二重心臓」より 著者:夢野久作
まらなけあいいがと気が付くトタンに、二人とも何となく呉羽さんに一パイ喰わされて、睨めっこをさせられているような気がし初めたんだね。そこでドッチからともなく二人が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
面《つら》も変らねえ」 「殿様もこのごろはおいとしゅうございます」 「はははは」睨めっこをして淋しく笑う。なるほど、これでは酒もうまくなさそうです。 「女を呼ん....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
。鏡の中の乃公の姿も、得意そうに、反身になったことである。 鏡の前で、さんざん睨めっこや、変な表情や滑稽な身ぶりをして楽しんでいると、背後に突然人声がしたのだ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
金は、そっくり故郷の足利にいる妻子に送り届けることにしておいて、またも例の額面と睨めっこです。 油でない方の一方の額が、どう睨めてもわからない。時代がわからな....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
死んでも、横浜まで往ってみせるぞ」 僕は、ハンドルを握った。コンパスや海図と睨めっこして待っていると、やがて、機関室へ降りて往った陳君が、出帆を僕に促すため....
黒点」より 著者:豊島与志雄
。がなおおかしなことには、父はいつのまにか仏壇の方へにじり寄って、新らしい位牌と睨めっこをしていた。 「いつまでつけっ放しにしてるんだ。火事でも起したらどうする....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
の手でも我慢してやるから、若いうちはコマメにやりなよ」 「よせやい」 「ボンヤリ睨めっこしてるよりも、一方が後へ廻って肩をもむのが時にかなっているッてことが分ら....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、そういう馥郁たる匂いを嗅ぎながら、ややしばらくのあいだ、文鳥のような優しい眼と睨めっこをしていた。いや、睨めっこといっては少し違うかも知れない。砕いて言えば、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と知りたくば、わしを見ろ、わしのこの目を見ろ」 日観は肩の骨を尖らして、武蔵と睨めっこするように、顔を前へつき出した。くぼんでいる中の眼球が飛び出して来るよう....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しめる無機的な作用を種々に備えているのだから仕方がない。 「武蔵どの、また梁楷と睨めっこですか。よほど気に入ったとみえますな。何ならば、ご出立の時に巻いてお持ち....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
料である。清盛、重盛、義経、頼朝、文覚その他、当年の物の覆本は少なくない。これと睨めっこしていると、何かを、こっちも感じてくる。こんどの回を書くばあいも、一応、....