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瞬く
「瞬く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞬くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
まず第一に摩利信乃法師《まりしのほうし》が、あの怪しげな陀羅尼《だらに》の力で、
瞬く暇に多くの病者を癒《なお》した事でございます。盲目《めしい》が見えましたり、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、十六人の女たちと放縦《ほうじゅう》な生活を送るようになった。
一月ばかりは、
瞬く暇に過ぎた。
彼は毎日酒を飮んだり、谷川の魚を釣ったりして暮らした。谷川の....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
られた婆娑羅《ばさら》の大神に逆《さかろ》うたてや。されば立ち所に神罰を蒙って、
瞬く暇に身を捨ちょうでの。おぬしには善い見せしめじゃ。聞かっしゃれ。」と云う声が....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れでも点が存在する如く私もまた永劫の中に存在する。私は点となって生れ出た。そして
瞬く中に跡形もなく永劫の中に溶け込んでしまって、私はいなくなるのだ。それも私は知....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
別々の圏内に動いているのであろうか。歩みの遅い土星は一周に三〇年を要し、かの光り
瞬く木星の軌道は一二年を要する。また二年を要する火星水星、それから太陽の侍女とし....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
居る、其の群に近づいて見ると、一同は手に手に重も相な獲物をぶらさげて居た。而して
瞬く暇にかんかん虫は総て其の場に馳せ集まって、「何んだ何んだ」とひしめき返して、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、海にお馴れなさらず、御到着の遅いばかり気になされて、老人が、ここに形を消せば、
瞬く間ものう、お姿見の中の御馬の前に映りまする神通を、お忘れなされて、老寄に苦労....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
、二三尺水を出た幹を、ひらひらと昇って、声するばかり、水に咽んだ葉に隠れた。――
瞬く間である。―― そこら、屋敷小路の、荒廃離落した低い崩土塀には、おおよそ何....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
浮木が水面に届くか届かぬに、ちょろり、かいず奴が攫ってしまう。 大切な蝦五つ、
瞬く間にしてやられて、ごうなになると、糸も動かさないなどは、誠に恥入るです。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ませぬ。そこが幽界の旅と現世の旅との大した相違点でございますが、兎も角も私達は、
瞬く間に途中を通り抜けて、或る一つの馬の世界へまいりました。そこには見渡す限り馬....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
杜子春に飛びかかりました。が虎の牙に噛まれるか、蛇の舌に呑まれるか、杜子春の命は
瞬く内に、なくなってしまうと思った時、虎と蛇とは霧の如く、夜風と共に消え失せて、....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
の子供たちと、そうしてその上に乱落する鮮な蜜柑の色と――すべては汽車の窓の外に、
瞬く暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ない程はっきりと、この光景が焼きつ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
て、更に港へ追立てた…… ……更に追って行く。その時、金石の海から、河北潟へ、
瞬く間に立蔽う、黒漆の屏風一万枚、電光を開いて、風に流す竜巻が馳掛けた、その余波....
「活人形」より 著者:泉鏡花
た畦道を走りし婦人こそ、籠を脱けたる小鳥ならめ、下枝一たび世に出なば悪事の露顕は
瞬く間と、おのが罪に責められて、得三の気味の悪さ。惨たらしゅう殺したる、蛇の鎌首....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を物語っている。 かくてフランデルとアルトアにあった英白軍および仏の有力部隊は
瞬く間に包囲せられ、五月二十二日頃にはその運命が決定した。独軍の包囲圏は刻々縮小....