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瞬く間
「瞬く間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞬く間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
額に当てながら、何やら鋭い声で叫びましたのとが、全く同時でございます。この拍子に
瞬く間、虹のような光があって空へ昇ったと見えましたが、金甲神の姿は跡もなく消え失....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
にパッと逃げた。――飛ぶのは早い、裏邸の大枇杷の樹までさしわたし五十|間ばかりを
瞬く間もない。――(この枇杷の樹が、馴染の一家族の塒なので、前通りの五本ばかりの....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、海にお馴れなさらず、御到着の遅いばかり気になされて、老人が、ここに形を消せば、
瞬く間ものう、お姿見の中の御馬の前に映りまする神通を、お忘れなされて、老寄に苦労....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
、二三尺水を出た幹を、ひらひらと昇って、声するばかり、水に咽んだ葉に隠れた。――
瞬く間である。―― そこら、屋敷小路の、荒廃離落した低い崩土塀には、おおよそ何....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
覗いたが、ただ目鼻のある茸になって、いかんともなし得ない。その二三秒時よ。稲妻の
瞬く間よ。 見物席の少年が二三人、足袋を空に、逆になると、膝までの裙を飜して仰....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ても、瞬をせぬ人間は決してあるまい。悪左衛門をはじめ夥間一統、すなわちその人間の
瞬く間を世界とする――瞬くという一秒時には、日輪の光によって、御身等が顔容、衣服....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
…いやだな。」 うっかり緩めた把手に、衝と動きを掛けた時である。ものの二三町は
瞬く間だ。あたかもその距離の前途の右側に、真赤な人のなりがふらふらと立揚った。天....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
浮木が水面に届くか届かぬに、ちょろり、かいず奴が攫ってしまう。 大切な蝦五つ、
瞬く間にしてやられて、ごうなになると、糸も動かさないなどは、誠に恥入るです。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ませぬ。そこが幽界の旅と現世の旅との大した相違点でございますが、兎も角も私達は、
瞬く間に途中を通り抜けて、或る一つの馬の世界へまいりました。そこには見渡す限り馬....
「多神教」より 著者:泉鏡花
上に受く。) 媛神 御苦労ね。 巫女 我折れ、お早い事でござりましたの。 丁々坊
瞬く間というは、凡そこれでござるな。何が、芝居は、大山一つ、柿の実ったような見物....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
て、更に港へ追立てた…… ……更に追って行く。その時、金石の海から、河北潟へ、
瞬く間に立蔽う、黒漆の屏風一万枚、電光を開いて、風に流す竜巻が馳掛けた、その余波....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
あ痛えや。」 「掴えッちまいなせえ、」とお夏を押えたのが早速の懸声、それもこれも
瞬く間で。 「危え、わッ!」 といって、今、お夏を引立てたのを見るや否や、軍鶏....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
藤色と、帯の錦を引動かし、友禅を淡く流して、ちらちら靡して止まなかったのが、フト
瞬く間|淀んで、静って、揺れず、なだらかになったと思うと、前髪も、眉も、なかだか....
「活人形」より 著者:泉鏡花
た畦道を走りし婦人こそ、籠を脱けたる小鳥ならめ、下枝一たび世に出なば悪事の露顕は
瞬く間と、おのが罪に責められて、得三の気味の悪さ。惨たらしゅう殺したる、蛇の鎌首....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を物語っている。 かくてフランデルとアルトアにあった英白軍および仏の有力部隊は
瞬く間に包囲せられ、五月二十二日頃にはその運命が決定した。独軍の包囲圏は刻々縮小....