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瞬時
「瞬時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞬時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
には不幸な一夜だった。かろうじて築き上げた永遠の城塞《じょうさい》が、はかなくも
瞬時の蜃気楼《しんきろう》のように見る見るくずれて行くのを感じて、倉地の胸に抱か....
「二つの道」より 著者:有島武郎
ほうこう》する動物である。絶対の境界は失われた楽園である。
人が一事を思うその
瞬時にアンチセシスが起こる。
それでどうして二つの道を一条に歩んで行くことがで....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の実質をよく考えてみると、それは他の星の世界と同じ実質であり、その中に潜む力は一
瞬時にして、地殻を思いのままに破壊することも出来、新たに地表を生み出すことも出来....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
が行なわれるだろうとは考えられませんでした。しかるに五月十日以来のドイツの猛撃は
瞬時にオランダ、ベルギーを屈伏せしめ、難攻と信ぜられたマジノ延長線を突破して、ベ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に熟しているかを、審さに報告することであろう。 それは後のこととして、主力艦を
瞬時の裡に、三隻までも失った米艦隊は、やっと東洋遠征に誤算のあったことを気付いた....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ー・チャイナ号は、四千人にちかい乗組員と船客もろとも、電光の閃きのようなほんの一
瞬時にして、影も形もなくなった。 それは誰がやったのか? やったのは、何者だ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
った。 辻町の何よりも早くここでしよう心は、立処に縄を切って棄てる事であった。
瞬時といえども、人目に曝すに忍びない。行るとなれば手伝おう、お米の手を借りて解き....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
ると共に、銀杏返の背向に、あとあし下りに入り来りて、諸君の枕辺に近づくべし。その
瞬時真白なる細き面影を一見して、思わず悚然としたまわんか。トタンに件の幽霊は行燈....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ざる、孤屋に幽閉の番人として、この老夫をば択びたれ。お通は止むなく死力を出して、
瞬時伝内とすまいしが、風にも堪えざるかよわき婦人の、憂にやせたる身をもって、いか....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
、海底の巌の根なる藻の、紅き碧きをさえ見ると言います。 風の一息死ぬ、真空の一
瞬時には、町も、屋根も、軒下の流も、その屋根を圧して果しなく十重二十重に高く聳ち....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
である。開戦と同時に、戦争当時国は手の裡にある新兵器をチラリと見せ合っただけで、
瞬時に勝負の帰趨が明かとなり即時休戦状態となるのかもしれない。勝つのは誰しも愉快....
「車中有感」より 著者:上村松園
て通りすぎた谷間の朽ちた懸け橋に、紅い蔦が緋の紐のように絡みついているのを見て、
瞬時に、ある絵の構図を掴んだり、古戦場を通りかかって、そこに白々と建っている標柱....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
でなかったが、東京の編輯局には毎日あるいは隔日に出掛けて、海外電報や戦地の通信を
瞬時も早く読むのを楽みとしていた。 「砲声聞ゆ」という電報が朝の新聞に見え、いよ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
えば姿は亡し。すでに幕の後へ飛込みたるその早さ消ゆるに似たり。 かれもこれも一
瞬時、得三は眼血走り、髪逆立ちて駈込つ、猶予う色無く柱に凭れる被を被りし人形に、....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
なのだ。その人は僕を愛しているし、僕もその人を愛している。二年ぶりで再び幸福の幾
瞬時を僕は持っている。結婚が幸福をもたらすかも知れないということを今度始めて僕は....