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瞳孔
「瞳孔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞳孔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ァの上にぶっ倒れた。目のまわりに薄黒い暈《かさ》のできたその顔は鈍い鉛色をして、
瞳孔《どうこう》は光に対して調節の力を失っていた。軽く開いたままの口びるからもれ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
の下へぴたりと耳を押しつけて見た。少しの鼓動も無い。すぐに眼瞼をひらいて見たが、
瞳孔はもう力なく開き切っていた。 「死んでいる。もう全く呼吸が無くなっているんだ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
血が流れていました。両眼はつるし上って、気味のわるい白眼を剥いていました。多分|
瞳孔も開いていたことだったでしょう。体温はすこし下って来たような気がします。 「....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
びて仰向けに仆れていた。青年は芝草の上に膝を折って、少年の脈搏を調べ、瞼を開いて
瞳孔を見たが、もう全く事切れていた。そして身体がグングン冷却してゆくのが分った。....
「河明り」より 著者:岡本かの子
だが、心はまだしきりに今朝ジョホール河の枝川の一つで、銃声に驚いて見張った私達の
瞳孔に映った原始林の厳かさと純粋さを想い起していた。それはひどく心を直接に衝った....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と見て、「微かだが心動が聞えるし、呼吸も浅いながら続けている。それに、このとおり
瞳孔反応もしっかりしてるぜ」
そう法水に宣告されてしまうと、つい今しがた此奴と....
「臨終まで」より 著者:梶井久
く成って居ます。呼吸はと見ると三十位しか無い「はて、おかしいぞ」と思いましたが、
瞳孔を見てやろうにも私は眼が悪くてはっきり解りません。「こりゃ、ヒョットすると今....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、よく見てごらんなさい。ほんものの眼だということは、目玉をよく見れば分りますよ。
瞳孔も動くし、血管も走っている」 そういって机は、携帯電灯を戸倉の眼の近くへさ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
、兄の胸を開いて、聴診器をあてました。それから瞼をひっくりかえしたり、懐中電灯で
瞳孔を照らしていましたが、 「やあ、これは心配ありません。いま注射をうちますが、....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
ついていて消えない。 陣地の隊員はひとしく、何事かを予期して真暗な上空を睨み、
瞳孔を一杯に開いた。 ぱーッ。 紅と黄との花傘を、空中に拡げたように、空一面....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
っくりと注意ぶかく飲むのでした。その瞳はだんだんに半ばとじられて、緑色の眼の円い
瞳孔が楕円形にかわって来ました。彼女は時どきにわたしの手に接物するために、血を吸....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
約の婦人に見られたら、びっくりしますからな」と言っていた。 一週間の終わりに、
瞳孔や脈搏を調べたり、摂食や歩行のことを厳格に注意された上で、ヘザーレッグは私を....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
は早くも黄色い臭いをあげて焦げつつあった。尤もこの勇敢なる裸電球の照明法は行人の
瞳孔を極度に縮少させ、商人が売っている品物のあらを発見し得るほど充分永く、行人の....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を、捕獲したる鬣狗の檻際へ置けるに、全身動かず死したりと思いし羚羊の眼が、俄かに
瞳孔を動かし恐怖の色を現わしたり――と。ねえ支倉君、浄善は最初に、微量のクラーリ....
「道」より 著者:織田作之助
いうものが手でひっぱり出せるものなら、バセドウ氏病の女のそれのように、いやもっと
瞳孔から飛び出させて、懐中電燈のように地面の上を這わせたいくらいである。佐伯は心....