矢っ張り[語句情報] »
矢っ張り
「矢っ張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矢っ張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
。伊之助も恟《びっく》り仰天いたして、暫らくの間は口も利きませんでしたが、それも
矢っ張り因縁というものでしょうから心配なさることはないと慰さめ、此の日は何事もな....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
われて、妾に鏡の在《あ》り所《か》を教えにお出でになったに違いない。そうして妾は
矢っ張り旧来《もと》の通りの美留藻で、お姫様でも何でもなかったのだと思いまして、....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
新平の処へ持って行くと、一度断られ、二度ことわられ、それでも三度まで持って行くと
矢っ張りことわられた揚句《あげく》、「余が東京市を愛するのは、市長となって愛する....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
るを待って、多分秀子が潜んで居るだろうと思う盆栽室へ、密《そっ》と行った、茲でも
矢っ張り容易ならぬ事に出会《でっくわ》した。
第二十二回 盆栽の蔭
盆栽室....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
少しも側から離そうとはしなかったが、つい先刻になって不図気が変ってしまった。 「
矢っ張り私、帰った方が好いわ。あんた怒りゃしないわね。又来るには泊らない方が出好....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
め」 「へい」 と恐れず進み出た。 「よく見抜いたな、俺の心を」 「それじゃァ
矢っ張り江戸に対して?」 「が、先ず夫れは云わぬとしよう。……さて、そこで頼みが....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
を見ると彼は大真面目である。 又親ってものがお前不思議だってえのは、娘を持つと
矢っ張りそんな気にならあ。己れにした処がまあカチヤには何よりべらべらしたものを着....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
」 「左様」 と迂闊り云ったが、総司は、周章てて 「いや……」 「いや?」 「
矢っ張り左様じゃ」 「よっぽど可い娘さんだったんでございましょうね」 「うん」 ....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
吝れた奴等だ。が今日の飯代にはなる。ワッハッハッハッ」 と笑う声がしたが夫れも
矢っ張り雲の中からです。 一人去り二人去り何時の間にか見物人は立ち去りましたが....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
ろうけれど、どうもその後が似合わしくない」 「何んでござるな、その後とは?」 「
矢っ張り夫れさ、名刀さ」 「ははあ名刀が邪魔しますかな」 「どだい風流というやつ....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
」 フラリと岡八往来へ出た。すぐ眼の前を女が行く。尾行るという気もなかったが、
矢っ張り後をつけて行った。出たところが神保町、店附の立派な古物商があった。 女....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
「成る程」
「するてえと、子曰く、小藤次は囮にして、知っている奴を誘き出すって。
矢っ張り、智慧があらあなあ、深雪さん、それで――」
庄吉が、ここまでいうと、小....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
らずば首尾が悪るかろう。その松明をこっちへ渡しや』 おくみ『いえいえ。わたしゃ、
矢っ張り、あなたを家へ送り届けて、安心して、それから往にます』 源兵衛『もう、い....
「俗臭」より 著者:織田作之助
うです」と叫んだ。捨鉢な調子であったから、政江は何かぎょっとした。稍震えた。 「
矢っ張りそうでっか。それに違いおまへんな。ほんまにそうでんな。そうでっか。考えさ....
「放浪」より 著者:織田作之助
ろ、こともあろうに小鈴はリヽアンへ通っていた表具屋の息子と駈落ちしたので、さては
矢っ張り男がいたのかと胸は煮えくり返り、行先は別府らしいと耳にはさんだその足で来....