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矢口
「矢口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矢口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
助高屋高助のせがれで以前は源平と云っていましたが、大阪から帰って来て、光秀の妹と
矢口渡《やぐちのわたし》のお舟を勤めています。三、四年見ないうちに、すっかり大人....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来るのだね」 「名は……八さんといっていますが、八蔵か八助か判りません。なんでも
矢口の方から来るのだそうで……」 「
矢口か。
矢口の渡しなら六蔵でありそうなものだ....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
で息を殺して待っている自分がおかしかった。 途端に身体に感ずる感電刺戟、執事の
矢口が呼んでいるのだった。さてはいよいよお待ち兼ねのお客様であるか。寝床をヒラリ....
「一坪館」より 著者:海野十三
頬ぺたはまっ黒。少年の右腕は、三角巾でぐるぐるしばり、上に血がにじんでいる。 「
矢口家のおかみさん。交番もこの通り焼けていますよ。お宅はこの横丁だが、入ってみま....
「白痴」より 著者:坂口安吾
らせていた。彼等の声は一様につぶれ、人間の声のようではなかった。蒲田署管内の者は
矢口国民学校が焼け残ったから集れ、とふれている。人々が畑の畝から起き上り、国道へ....
「D・D・Tと万年床」より 著者:坂口安吾
いには部屋を掃除していたのであるが、一昨年の新年ごろ、発疹チブスがでた。私の住む
矢口というところが、この発祥の地で、私の家も隣に患者が現れ、よって進駐軍指導のト....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
。その時も、まだ、私は、これを蓄膿症だとすらも思わない。私は去年の夏は、すぐ近い
矢口の渡しへボートをこぎ、泳ぎに行った。そのために、特別洟汁がでるのだろうと思い....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
奴め、こう悪智恵をめぐらした。 そこで母の記憶をたどり、横浜のオ月ドン、荏原郡
矢口村のオキンドン、浅虫家の故郷から来ている何々ドン、何子チャンというのを手がか....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
和に替えられないと彼は云っている。 なるほど東京はカミナリの多いところだ、私は
矢口の渡しに住んでいたころ、処によると物凄いカミナリになやまされたものだ。
矢口の....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
る。そしてサムライではないようだ。 誰が自殺するか、見当がつかないものだ。私が
矢口の渡しにいたころ、近所の老夫婦が静かに自殺していた。小金があって、仲がよくて....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ったせいか町内の碁会所というものが甚だしく少くなった。 昔私の住んでいた蒲田の
矢口の渡しというところに焼け残った碁席が一軒あったが、一度遊びに行ったところ誰も....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
御座いません。船頭の娘ですがね」 「船頭の娘なら、頓兵衛の内のお船じゃア無いか。
矢口もここも、一ツ川だが、年代が少し合わないね」と宗匠は混ぜ返した。 「お客様、....
「寒鮒」より 著者:佐藤垢石
川の潮止橋の下流大場川の合流点付近、荒川の支流芝川、江戸川今井橋の上手、多摩川の
矢口の渡しの下手など、釣り人のよく知っているところである。少し遠くはあるが、近年....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
最初として置く。そのときの狂言は一番目が「妹背山」の吉野川、道行、御殿、中幕が「
矢口渡」、二番目が新作の「伊勢音頭」で、一番目の吉野川では団十郎の定高、芝翫の大....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
うので行ったが駄目でした。」と私。 「だが、このお爺さんには驚いたよ。あっはっ、
矢口の渡しの頓兵衛見たいで、ずかずかと這入って行くのでね。いや、閉口だ。」と庄亮....