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矢叫び
「矢叫び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矢叫びの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ではないか。こうして、幾つかの因子を排列しているうちに、法水は噴っと血腥いような
矢叫びを、自分の呼吸の中に感じたのであった。しかし、召使に燭台を用意させて、開閉....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
早救援の軍も近いであろうと云うので、忽ち鉄砲をもって挑戦した。盛政怒って攻め立て
矢叫びの声は余呉の湖に反響した。丁度此時、丹羽長秀、高島郡大溝の城を出でて、小船....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。だがそのうち路金が尽きた。仕官しなければならなかった。戦国の慣いどこへ行っても
矢叫びの声武者押しの音、有能の士は抱えられた。だが俺だけは駄目だった。弓を引くこ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
鮮|蔚山の敵軍へ、大砲を打込むばかり、油の黒煙を立てる裡で、お誓を呼立つること、
矢叫びに相斉しい。名を知らぬものまで、白く咲いて楚々とした花には騒ぐ。 巨匠に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
麓では、道庵先生の旗風が三たび靡《なび》き、三たび立直っている激戦の最中――その
矢叫びも、棒ちぎれも、ここまでは届かない閑寂なる黒血川の岸。 秋草が繚乱《りょ....
「三国志」より 著者:吉川英治
静かに、成行きをご覧あそばしませ」 そのうちに、城門外では、ひと合戦終ったか、
矢叫びや喊声がやんだと思うと、寄手の内から一人の大将が、馬を乗出して、大音声にど....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
中の蛙だ、わからぬはずよ。だが今日もひろい本土の空の下では、いたるところの山河が
矢叫びや武者吠えあげて、はや羽蟻の巣にひとしい幕府の古屋台をゆすぶっている。どう....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
から押し出されていたのである。――そうして頭上を通ッてゆく味方からの掩護の火箭や
矢叫びも、もう聞えず、あらゆる音震にも皮膚が無知覚になったとき、一つ一つの兵の顔....