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知る
「知る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
知るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
も一思いに、実生活の木馬を飛び下りたんだ。この猛烈な歓喜や苦痛は、若槻如き通人の
知る所じゃない。僕は人生の価値を思うと、百の若槻には唾《つば》を吐いても、一の小....
「河童」より 著者:芥川竜之介
師のステュディオとなれり。
問 予の机はいかになれるか?
答 いかなれるかを
知るものなし。
問 予は予の机の抽斗《ひきだし》に予の秘蔵せる一束《ひとたば》....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
り》する女の針立《はりたて》の世間話から、兵衛は一度広島へ来て後《のち》、妹壻の
知るべがある予州《よしゅう》松山《まつやま》へ密々に旅立ったと云う事がわかった。....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
したばかりではない、その時、己《おれ》は、己が夢みていた通り、袈裟《けさ》の体を
知る事が出来た。が、当時の己を支配していたものは、必しも前に云った、まだあの女の....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
た。多加志は妻の母の腕を枕に、すやすや寝入っているらしかった。妻は自分の来たのを
知ると一人だけ布団《ふとん》の上に坐り、小声に「どうも御苦労さま」と云った。妻の....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ま、二人とも故人になってしまった。勿論《もちろん》彼等他国ものは、天主のおん教を
知るはずはない。彼等の信じたのは仏教である。禅《ぜん》か、法華《ほっけ》か、それ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に変っていると思った事はなかった。いや、母が兄をつれて再縁したと云う事さえ、彼が
知るようになったのは、割合に新しい事だった。ただ父が違っていると云えば、彼にはか....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ん。お子さんを殺すのも助けるのもデウスの御思召《おんおぼしめ》し一つです。偶像の
知ることではありません。もしお子さんが大事ならば、偶像に祈るのはおやめなさい。」....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んでいる。鳥は幸いにこの苦痛を知らぬ、いや、鳥に限ったことではない。三世の苦痛を
知るものは我我人間のあるばかりである。
小泉八雲は人間よりも蝶になりたいと云っ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
がて御主の救抜《きゅうばつ》を蒙るのも、それがしひとりにきわまりました。罪を罪と
知るものには、総じて罰と贖《あがな》いとが、ひとつに天から下るものでござる。」―....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
は常に瀟洒たる淡彩画なり。更に又久保田君の生活を見れば、――僕は久保田君の生活を
知ること、最も膚浅なる一人ならん。然れども君の微笑のうちには全生活を感ずることな....
「狂女」より 著者:秋田滋
していた。絶望の底にあるこの魂のなかでは、どんなことが起っていたのだろう。それは
知るよしも無かった。彼女はもう口をきかないんだからね。死んだ人たちのことでも考え....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
と、皆な伯父の世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は
知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知らせ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
別にない」と言うたら、ファラデーは多少失望して見えた。 ファラデーがある事実を
知るのには、充分満足するまでやって見ることを必要とした。それですっかり判ると、そ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
子が行きがた知れずになってからもうかなり日数もたっていることとて、誰ひとりそれを
知る者もなかった。当の息子のジャンにしたところが、今ではもう自分の名前も、生れ故....