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「知る人ぞ知る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

知る人ぞ知るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黄村先生言行録」より 著者:太宰治
あろう。とにかくあの淀江村の山椒魚は、世界の学界に於いても有名なものなのである。知る人ぞ知る、である。文献にちゃんと記載されてあるのだ。 だぶりと水が動く。暗....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
千柿の鍔とな」 伊豆守の驚かれたのも当然――当時千柿名人の千柿の鍔といえば、知る人ぞ知る、知らぬ者は聞いておどろく得がたい鍔だったからです。住まいは目と鼻の....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
たが、その男の表情は、依然《いぜん》、白痴《はくち》に近いものでした。金徳一は、知る人ぞ知る、先のバンタム級の世界ベストテンに数えられた名選手でした。リングでの....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
れがなぜこんな下等な軽術師《かるわざし》流に転化してきたかは面倒だから述べない。知る人ぞ知る、知らぬものは知らん顔をしておればよろしかろう。歴史はとにかく彼等は....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
の一に過ぎない、而して四億近くの基督信者中其の幾人が真に神の救を見ることを得しや知る人ぞ知るである、而して「諸の人」と云えば過去の人をも含むのであって、彼等も亦....
赤外線男」より 著者:海野十三
は、実にあまりに単純すぎるために、もう忘れてしまった人が多いようであるが、しかし知る人ぞ知るで、識っている人にとっては、これ又奇怪な事件であることに、この迷宮事....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
」 退屈男は目を輝かして打ち喜びました。無理もない。まことぐずり松平の御前とは知る人ぞ知る、この東海道三河路の一角に蟠居する街道名物の、江戸徳川宗家にとっては....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
人の口から出た言葉である。実際、幕府内にはこういう人もいた。こういう諧謔の意味は知る人ぞ知ると言って、その志を憐む喜多村瑞見のような人もまた幕府内にいた。言って....
読書法」より 著者:戸坂潤
因果関係とを有効性というもので結びつけた説明で、そんなに平凡な説明でないことは、知る人ぞ知るであろう。 又一三四頁、「暇の時に人々が出会うと、めいめいの考えを....
第四次元の男」より 著者:海野十三
と通って、ついに戸山ッ原の入口にと、さしかかった。 深夜の戸山ッ原! それは知る人ぞ知るで、まことに静かな地帯である。地帯一帯を蔽う、くぬぎ林は、ハヤシの如....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まい。江戸の弥勒寺長屋《みろくじながや》にいた時分、江戸の闇を食って歩いた経歴は知る人ぞ知る。甲府の城下へたどりついた時分に、甲府城下の如法闇夜に相当以上に活躍....
源氏物語」より 著者:紫式部
を取り寄せて香をたき試みた。 「知る人(君ならでたれにか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る)でもないのですがね」 と宮は謙遜しておいでになったが、においの繊....
霊気」より 著者:豊島与志雄
、それらの高峰の肩に身を置く場合、両者が全く異った感じのものであることは……ただ知る人ぞ知る、説明しようとしても出来ない。 神に対して呼びかくる時、西欧の言葉....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
鷲《わし》なんかではなかった。彼がその新聞にいかめしく書いた批評の馬鹿さ加減は、知る人ぞ知る! 彼はでたらめに聞いたり読んだりし、自分の鈍重な頭の中ですべてを混....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
」の見本として、はじめて三越の舞台へ登場したわけで、この「雄弁」の日本版こそは、知る人ぞ知る、「老若問答」の著者と、マラルメ研究の権威との、甚だ江戸前式な、雅俗....