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知れ渡る
「知れ渡る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
知れ渡るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るのですから、将軍は四十二の厄年で参詣になったのだと云うことでした。それが世間に
知れ渡ると、公方様でさえも御参詣なさるのだからと云うので、また俄かに信心者が増し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
話人らに内分の計らいを云い聞かせると、彼等も異議なく承知した。こんなことが世間に
知れ渡ると、寺の迷惑にもなり、開帳の人気にもさわるからである。小判と二朱銀は夜叉....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
宮様の御一行をこの木曾路に迎えねばならなかった。 和宮様御降嫁のことがひとたび
知れ渡ると、沿道の人民の間には非常な感動をよび起こした。従来、皇室と将軍家との間....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
求める声は後年を待つまでもなく、前の年、慶応元年の後半期あたり、将軍辞職の真相の
知れ渡る前後あたりから、すでに、すでに諸国に起こって来て、徳川家には縁故の深い尾....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
群集の声は次第に近づいて来る。前年の冬、徳川十五代将軍が大政奉還のうわさの民間に
知れ渡るころから、一か月半以上も京坂各地に続いた「えいじゃないか」の騒ぎが、また....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
も知られざる或人」(Somebody unknown to nobody)なりと
知れ渡るや否や、書肆の門前は忽ち雀羅《じゃくら》を張れりといっている。けだし「年....
「学者と名誉」より 著者:夏目漱石
初から持っているのだと弁解するならば、木村氏を表彰すると同時に、その主意が一般に
知れ渡るように取り計《はから》うのが学者の用意というものであろう。木村氏が五百円....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
ョアジーとの大局に於ける大団結が、ファシズムの根本条件であることはもっと徹底的に
知れ渡る必要のある点で、そういうことがあるから日本でも、ファッショ的勢力は安んじ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
僕の境遇?」 「そうだ……つまりあの事件が、あの表|沙汰《ざた》が……もしあれが
知れ渡ると……僕にはどうも困難だ。いろいろ掛り合いを受けることになるかもしれない....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
一種の憂鬱《ゆううつ》な重々しい態度をもってした。彼が金持ちだということが一般に
知れ渡ると、「社交界の人々」は彼に頭を下げ、町では彼をマドレーヌ氏と呼んだ。が彼....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
概ね附き添いたちであり、患者は静かで、慎んでいるのが普通であった。 僕の入院が
知れ渡ると、新聞記者が写真班同伴で十何組も乗りつけて、千谷さんは、撃退するに手こ....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
築かれたものであった。このことをよく考え合せてみると、ルイ十四世は国家の大秘密が
知れ渡ることを気づかわれて、エイギュイユという城をつくって、エイギュイユ・クリュ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
続々出坑して、あと半数ほどに残されていた坑夫達の間には、ひとたび海水浸入の事実が
知れ渡ると、もうそこには統制もなにもなかった。人びとは炭車を投げ出し、鶴嘴を打捨....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
の思をなし、直にこれを承諾したるに、かかる事柄は固より行わるべきに非ず。その事の
知れ渡るや各国公使は異口同音に異議を申込みたるその中にも、和蘭公使のごときもっと....
「真の愛国心」より 著者:新渡戸稲造
そく》であり、陰険であり、または馬鹿げたことをすれば、それは直《ただち》に世界に
知れ渡るのである。従《したがっ》てある国が世界のため、人道のために如何なる貢献を....