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知情意
「知情意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
知情意の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
い。もっとも心理学者のやる事は心の作用を分解して抽象してしまう弊《へい》がある。
知情意は当を得た分類かも知れぬが、三つの作用が各独立して、他と交渉なく働いている....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
ことは到底不可能である。自分の心其者について見ても右の通りである。我々の知る所は
知情意の作用であって、心其者でない。我々が同一の自己があって始終働くかのように思....
「弟子」より 著者:中島敦
な怪物《かいぶつ》めいた異常さではない。ただ最も常識的な完成に過ぎないのである。
知情意のおのおのから肉体的の諸能力に至るまで、実に平凡《へいぼん》に、しかし実に....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
までも食い入らないでいよう。 故郷の感じを初めて監獄で本当に知ったように、僕の
知情意はこの獄中生活の間に初めて本当に発達した。いろいろな人情の味、というような....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
的は生命の自己認識である。 われらの生命は情意からばかりはできていない。生命は
知情意を統一したる分かつべからざる有機的全体である。われらの情意が芸術のはなやか....
「文学精神と批判精神」より 著者:宮本百合子
論理的・意志的なものであり、芸術性は感情的・感性的なものであるというような昔風な
知情意の区分が、統一された人間精神の発動の各面という理解にまで高められていなかっ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
を主張するのではない。そういうカント風の命題と今はさし当り何の関係もない。意識を
知情意に三分するのが便宜であるなら、此等
知情意の各々を成立させる骨髄が、取りも直....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
意志や感情から区別して放置することは、認識を理論や何かに限定することだが、これは
知情意というような心理学上の便宜主義の区別と、同時に能力心理学の伝説を借用するこ....
「作者の住む世界」より 著者:豊島与志雄
の感じ方見方腹の据え方など、そんなものをひっくるめた世界、即ち、作者の人としての
知情意の内部世界を指すのである。 同じ材料を取扱っても、出来上った作品が作者に....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
うな文学者と彼女が交際してるのは、大変床しい立派なことであり、今後の日本婦人は、
知情意全般に亘る教養を高めなければならないので、彼女などもその方面に大に働いて貰....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
てもよい。すなわち精神的発展を遂げる本能が人間にそなわっている。ところが人間には
知情意という三方面の精神作用があるがために、その知的方面が発展してきたところに、....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
て、ルポルタージュ方式にとって、不可欠なものは第一に、そのルポをなす当人の自我の
知情意が高度にそしてキンミツに確立されている事だ。次ぎに、そのルポされる現実の中....
「抵抗のよりどころ」より 著者:三好十郎
ううぬぼれてみても、それほど偉くありません。また、それほど強くない。ごくふつうの
知情意をもっているにすぎず、弱い。ところが、現在あちこちで行われている抵抗論はみ....