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知見
「知見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
知見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
とが「いき」の特色である。
「いき」の第三の徴表は「諦め」である。運命に対する
知見に基づいて執着《しゅうじゃく》を離脱した無関心である。「いき」は垢抜《あかぬ....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
した。彼は一個の労働者であると告白したが、そんな低い階級に似ず、恐らく私も及ばぬ
知見を持っていた。 彼は自身が経験した或る事件に就いて、一つの伝記風な小説を書....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た時も、君のような人が――全然都会の臭味から免疫されて、過敏な神経や過量な人為的
知見にわずらわされず、強健な意力と、強靱な感情と、自然に哺まれた叡智とをもって自....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
君の検出法は?」
乙骨医師はところどころ術語を交えながら、きわめて事務的に彼の
知見を述べた。
「無論吸収の早い毒物はあるにゃあるがね。それに、特異性のある人間....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
部をなしている。常識というのは半ぱな卑俗の知識のことではなくて、実は一切の見識・
知見を最も合理的に手近かに統一したものでなくてはならないのである。 常識が発達....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
以上は、いくら制度を改めたところで、どうにもなりますまい。慾にありて禅を行ずるは
知見の力なりと、古哲も仰せになりました」 弁信の返事は、お雪ちゃんのピントに合....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
の場合の事情の十全な認識、行為のあらゆる結果の十全なる予測が必要であるが、かかる
知見は神ならぬ人間には存しないからだ。かかる意味で、道徳上絶対に妥当な意志決定は....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
は、検事の好諧謔にたまらなく苦笑したが、めずらしく口を噤んでいて、彼はいっこうに
知見を主張しようとはしなかった。 そして、「ニーベルンゲン譚詩」を片手に下げた....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
からといってそれだけ値うちがないわけでなく、どうしてなかなか堅実な意識と現実的な
知見をもっているのがわかった。ヴァルトマン氏とはほんとうの友人になった。教授の温....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
一として新ならざるはなし。多年来西洋の書を読み理を講じて多少に得たるところのその
知見も、今や始めて実物に接して、大に平生の思想齟齬するものあり、また正しく符合す....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
に涙を払いながら) 蓮如『おお、念仏の代りになるとも、なるとも。おくみどの。仏は
知見を以って何事も、広く知食すことなれば、そなたの念仏代りの言葉をも、とくと事情....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
わが社中すでにその術を得たる者は、貧苦を忍び艱難《かんなん》を冒して、その所得の
知見を文明の事実に施さざるべからず。その科《とが》は枚挙に遑《いとま》あらず。商....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
って思想上に契合するものがあってもなくても、毎日々々諸方を案内しつつ互に宏博なる
知見を交換したのは、あたかも籠の禽のように意気銷沈していた当時の二葉亭の憂悶不快....
「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
かくも、西洋流の文明についてはすべて不案内なるこの人民に向い、高尚なる学校教場の
知見を丸出しにして実地の用に適せしめんとするも、浮世のように行わるべからざるは明....
「小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
遠無窮、人民と交際を絶つの覚悟ならばすなわち可ならんといえども、いやしくも上流の
知見を下流に及さんとするには、その入門の路をやすくして、帳合にも日本の縦《たて》....