» 短慮

「短慮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

短慮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
一度も普通のコンディションのもとに置いてみないでいきなり評価を定めるのはいささか短慮に失するキライがありはしないか。 さて現在の日本のトーキーの製作状態は大体....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
った。 「なよ竹」や「小夜衣」や、そんな秘密をなんにも知らない彼は、かえって父の短慮を怪しんだ。こんな薄弱な証拠で味方の一人を攻めほろぼそうなどというのは、日ご....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ころげているのは妻の死骸ばかりである。それをじっと眺めているうちに、かれは自分の短慮を悔むような気にもなった。妻の挙動は確かに奇怪なものに相違なかったが、ともか....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
ゃというて、些細《ささい》なことから言い募《つの》って真剣の勝負とは、あまりに御短慮でござります。これ、おがみます、頼みます。どうぞもう一度分別して、仲直りをし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のである。ゆうべの酒もすっかり醒めてしまって、七蔵はふるえあがった。 「それは御短慮でござります。まずしばらくお待ちくださりませ」 一生懸命に主人をなだめてい....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
絶望の表情ものすごく、胸をかきむしって、咆え哮けるような声を出した。 「馬鹿な、短慮にはやって、せっかく手に入ろうとする、黄金郷を失おうとする大痴者めが。したが....
仇討三態」より 著者:菊池寛
はなかった。その足で、すぐ退転いたしたが、もう二十年に近い昔じゃ。今から考えると短慮だったという気もするが、武士の意地でな。武士としてこれ堪忍ならぬところじゃ!....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
そして、殿中ではどう評判をしている。どちらが悪いとかいいとか」 「ええ、内匠頭の短慮と吝嗇《りんしょく》はよく知っていますが、殿中で切りつけるには、よくよく堪忍....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
に勝家を中心に集ることになる。滝川一益もその反対派の一人であるが、この男が勝家の短慮を鎮めて献策した。即ち、寒冷の候に近い今、戦争をやるのは不利である。越前は北....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
た事も有って、何のくれえ親父が苦労をしたか知れねえが、三年あとに親父が死ぬ時に、短慮功を為さずと遺言され、それから些とばかりおとなしくなったが、気の暴えのは性質....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
って這入り、傷を受けることがあらば母の身体へ傷を付けたるも同じである、以後慎め、短慮功を為さずと此の二の腕へ母が刺青を為したは、私《わし》が為を思召しての訳、其....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、しかし、先生の言った意味がすぐにはのみこめなかった。酒甕に水をぶっこんで自分の短慮と卑劣さを暴露し、春月亭をたずねて自分の良心的行為に侮辱を与えられ、いわゆる....
虚構の春」より 著者:太宰治
学の道あせる事無用と確信致し居る者に候《そうろう》。空を見、雑念せず。陽と遊び、短慮せず。健康第一と愚考致し候。ゆるゆる御精進おたのみ申し上候。昨日は又、創作、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ない。ヨブの友人らの古い話といつも同じである。テマン人《びと》ユリパズは、ヨブの短慮を責める。シュヒ人《びと》ビルダデは、ヨブの不幸はその罪の罰であると主張する....
寺坂吉右衛門の逃亡」より 著者:直木三十五
聞えた。 「切腹に、な」 吉右衛門は首垂《うなだ》れてしまった。 「吉右衛門、短慮を起すでないぞ。この上は諸士の後生を、よく弔うのが、何よりの務じゃ。追腹《お....