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矯飾
「矯飾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矯飾の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
平気で自分の思う存分を振る舞っていた葉子は、この男の前では思わず知らず心にもない
矯飾《きょうしょく》を自分の性格の上にまで加えた。事務長の前では、葉子は不思議に....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いけなげな生活を、やむを得ぬ、苦しい、しかし当然な正しい生活として、誇りもなく、
矯飾もなく、不平もなく、素直に受け取り、軛にかかった輓牛のような柔順な忍耐と覚悟....
「運命」より 著者:幸田露伴
愛に因って 醜を知らず。(下略) 嘯詠寒山に擬すの句は、此老の行為に照せば、
矯飾の言に近きを覚ゆれども、若夫れ知己に遇わずんば、強項の人、或は呉山に老朽を甘....
「青年」より 著者:森鴎外
「そりゃあ地獄も買うことの出来ないような偏屈な奴もありましょう。買っていても、
矯飾して知らない振をしている奴もありましょう。そういう奴は内生活が貧弱です。そん....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
る》教育ある人達を顰蹙《ひんしゅく》せしめたけれど、其代り子供の時分は、今の様に
矯飾《きょうしょく》はしなかった。皆《みんな》無教育な親達のお蔭だ。難有《ありが....
「産屋物語」より 著者:与謝野晶子
以前の小説には女の美しい点が沢山書いてありますが、それが私どもから見ると案外女の
矯飾な弱点を男が美点だと誤解している場合があります。それを読んで女はこうすれば男....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いた。今になって考えて見れば啄木もその頃既に変った風格を具えた人間であった。あの
矯飾していたような中に生一本な気質を蔵していたということが分って、こんな些細な事....
「雁」より 著者:森鴎外
った。 「馬鹿を言い給え、未完の物なら、発表しはしないよ」岡田がこう云ったのも、
矯飾して言ったわけではなかったらしい。しかし仮にそれぎりで済む物として、幾らか残....
「Resignation の説」より 著者:森鴎外
ている事は全く違っています。尤もこの考えている事というのが、告白であるかないか、
矯飾をしていないかという疑問が直ぐに伴って来る。もっと立ち入って云えば、自分では....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
らが見えるように思われてならない。あるものは持って廻った捏造物だ、あるものは虚偽
矯飾の申しわけだ、あるものは楯の半面に過ぎず、あるものはただの空華幻象に過ぎない....