石の間[語句情報] » 石の間

「石の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日光小品」より 著者:芥川竜之介
われぬ。その右に墓場がある。墓場は石ばかりの山の腹にそうて開いたので、灰色をした石の間に灰色をした石塔が何本となく立っているのが、わびしい感じを起させる。草の青....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》などを仕止めたことがあった。また時にはいつになっても春を知らない峰を越えて、岩石の間に棲《す》んでいる大鷲《おおわし》を射殺しにも行ったりした。が、彼は未嘗《....
」より 著者:芥川竜之介
こここに散っている桜の花も、いつの間にかこっちへ吹きよせられて、今では、雨落ちの石の間に、点々と白い色をこぼしている。 「冗談云っちゃいけない。」 青侍は、思....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
墳墓がある。山門の前を流るる渓流は、その水清きこと水晶のごとく、奇巌《きがん》怪石の間を縫うて水流の末はここから三里半ばかり、黒羽の町はずれを通っていると聴くの....
追憶」より 著者:芥川竜之介
こぼしていた。が、格別、そのために叱られたという記憶は持っていない。蘭はどこでも石の間に特に一、二|茎植えたものだった。 九 夢中遊行 僕はそのころ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
く続いていて、そこらにも鉄条網や砲弾の破片が見いだされた。丘の上にも立木はない。石の間にはやはり雛芥子が一面に咲いている。戦争が始まってから四年の間、芥子の花は....
祖母」より 著者:楠山正雄
でした。 十日ばかり後のことでした。一雄は縁先で遊んでいる内ふと見る気もなしに石の間に挿まって、皮が剥げてボール紙ばかりになっているカルタを一枚見つけました。....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
づいてみますと、昨夜とはちがって白昼だけにその惨状は眼もあてられません。崩れた岩石の間から、半分ばかり無惨な胴体をはみ出している機関車、飛び散っている車輪、根ま....
家なき子」より 著者:楠山正雄
をしなければならないようだったら、今度はわたしがどうなるだろう。 わたしたちは石の間にほら穴のような所を見つけた。そこにはまつの落ち葉がたまっていた。これで、....
ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
しく続いていて、そこらにも鉄条網や砲弾の破片が見出された。丘の上にも立木はない。石の間には矢はり雛芥子が一面に咲いている。戦争が始まってから四年の間、芥子の花は....
迷信解」より 著者:井上円了
を焼けば灰となり、灰は土となるとの説明である。また金生水とは、鉱山を掘るには、鉱石の間より水出ずるとの説明じゃ。水生木とは、木は水の力を得て生い立つものじゃと説....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て了ったらしい。重太郎は唯この形見の枝を保護することにのみ屈託して、夢のように岩石の間を辿った。 窟の前に来ると、母の姿が見えぬ。少しく怪んで内を覗いたが、奥....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
安心が出来たです。 として聳えて居る山の麓に宿り、その翌日はその突兀たる岩石の間を流れて居る溪川に沿うて東南に行くこと三里、また五里ばかりの緩い坂を踰えて....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
る。 せめてもっと長く持ってくれたら、 己は目を瞑って楽んでも好いのだが。 (石の間を彷徨す。) 己はどこにいるだろう。どこへ出られるのだろう。 道と思って....
果物の幻想」より 著者:小川未明
じたことがあります。日光の射さない、湿っぽい木蔭に、霧にぬれている姿は、道ばたの石の間から、伸び出て咲いている雪のような梅鉢草の花と共に、何となく深山の情趣を漂....