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石敷
「石敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
る部分をくまなく捜索したが、それ以上はなんの発見もなく、一同はこの建物の裏にある
石敷きの小さな中庭へ出ると、そこに老婦人の死体が横たわっており、その咽喉が完全に....
「七階の住人」より 著者:宮本百合子
い出した。深夜、七階の彼女の窓へ聞えるのは、ホースで水をはじかす音、ガリ、ガリと
石敷道を何か金物の道具で引かく淋しい音ばかりだ。覗いても、燈の消えた向いのアパア....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
道のはずれに並木道があった。その古い菩提樹《リーパ》の並木道をあっちへ横切ると、
石敷の歩道がはじまる。槭樹《ヤーセン》の影の落ちる歩道は八方から集って、緑のたま....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
って来た。 広いアスファルト道路にするんで、西瓜車のガタガタ通るモスクワの古い
石敷路は、精力的に横丁までも掘じくりかえされている。 北緯五十五度の炎天へアス....
「舗道」より 著者:宮本百合子
んでいる。急に相談したいことがあると、速達が来たのだ。 琴曲教授の看板について
石敷の小路を入り、立てつけの悪い門をあけ格子をガタガタやっていると、真暗な玄関へ....
「広場」より 著者:宮本百合子
き来たとは反対の方角へ急ぎもせずに歩いて行った。裏通りになるその辺の車道は古風な
石敷道で、永い歳月のうちに踏みへらされた敷石のどれもがいろんな不規則な形に角を磨....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
燈が一つ、陰気にぼんやり灯っている。 伸子はけげんそうな顔で内玄関へ通じるその
石敷道を歩いて行った。すると、ゆずり葉の枝のさし出た内庭の垣の角から、ひょっこり....
「道標」より 著者:宮本百合子
んでいた栗鼠《りす》。アムステルダム通りとよばれている寄宿舎前の古いごろごろした
石敷の坂道を跳ね越えて、女学生達がよくかけこんでいた向い側の小さな喫茶店。どこも....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
ある。 バルザックの文章は、書かれている事件が複雑な歴史に踏みへらされたパリの
石敷道にブルジョアの馬車が立ててゆく埃を浴びているばかりでなく、文章そのものが、....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
した。彼は酒の酔もさめて正気になりました。けれども、手がひどく震え出して、馬具を
石敷きの床の上にとり落して仕舞いました。馬銜の音が長い洞穴内に反響すると、博労の....
「共産党公判を傍聴して」より 著者:宮本百合子
妙な階子段をのぼって、行けそうにもない衝立のすき間のようなところを抜けて、今度は
石敷の大階段のある広いところへ出ました。そのガランとした廊下にテーブルを出して二....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
道することじゃないでしょう。」 二人は、そんな無駄口を利きながら、清水堂の下の
石敷の小径を歩いていた。 そこらあたりは、樹の茂みで闇が濃く、一人の人にも会わ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
人の歩くための道かと私考えます、江戸中の人ばかりじゃねえ、遠国近在の人も通るから
石敷いてあれば往来の人がどのくらい助かるか知んねえ、又此処な家から毎日|彼処へ炭....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
る言葉の一節、或る日或る家で―― “おかみさんよ、足を洗うよりも心を洗いなさい、
石敷を拭くよりも心を拭きなさい” “顔をうつくしくするよりもまず心をうつくしくし....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
へ行くと、駕屋は、草鞋を新しくして、鉢巻をしめ直した。
湯本から急な登りになる
石敷の道は険しかったし、赤土の道は、木蔭の湿りと、木の露とで滑り易かった。
「お....