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石棺
「石棺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石棺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
。彼は古代の希臘《ギリシャ》の風習を心のなかに思い出していた。死者を納《い》れる
石棺《せっかん》のおもてへ、淫《みだ》らな戯れをしている人の姿や、牝羊《めひつじ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
こう云うK中尉には薄暗い一面を示し勝ちだった。彼は××に乗り組んだ後、エジプトの
石棺に書いてあった「人生――戦闘」と云う言葉を思い出し、××の将校や下士卒は勿論....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
熊城は二、三歩進んでいって、円い灯で前方を一の字に掃いた。すると、その中に幾つか
石棺の姿が明滅して、明らかにこの一劃が、算哲の墓※に相違ないことが分った。三人は....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
墓舎に納められた。その墓舎はそれから三年間開かれなかったが、三年目の終りに一つの
石棺を入れるために開かれた。――ところが、おお! なんという恐ろしい衝撃が、自ら....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
には相違ないが、しかし絶対に安心とは云えない。諏訪湖の水の乾く時が来たら、死骸は
石棺のまま現われなければならない。そうでなくとも好奇の者が、金に糸目を付けること....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
にもこわされた入口(いまは金網がはってある……)からのぞいてみると、その奥の方に
石棺らしいものが二つ並んで見えていました。その
石棺もひどく荒らされていて、奥の方....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の頃卒せられたものと推定せられる(土屋氏)。手持女王の伝は不明である。「石戸」は
石棺を安置する石槨の入口を、石を以て塞ぐので石戸というのである。これ等の歌も追悼....
「夜」より 著者:宮本百合子
かしつつさぐり見るなり 無限の闇の広き宙には 乾坤の敗者の歎きと 勝者の鬨の声と
石棺の底より 過去を叫ぶ亡霊のうごめき 奇しき形に 其の音波を伝えつつ 闇に生れ....
「高浜さんと私」より 著者:寺田寅彦
する。筆が洗練され、枯淡になっていても、やはりどこか昔の虚子の「三つのもの」や「
石棺」時代の名残のようなものが紙面の底から浮上がって来るように私には感ぜられるの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しい顔と忠実な握手とを、木の葉がくれに示していた。二人は並木道のつきる所に、白い
石棺を背にして、薔薇の青葉|棚《だな》の下にすわった。前方には寂しい野が開けてい....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
された。彼等が皆集った時に、牧師は他の三本に火をつけるために進んだ、そして巨大な
石棺の形ちがもっとはっきりと見えて来た。 凡ての眼は、ある神秘な西方の方法に依....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
並べられてあった。これもまた自分は洗骨したものと見るほか他の解釈を知らなかった。
石棺にもとても屍体を収め難く思われる程に幅の狭いものがある。神戸夢野で福原潜次郎....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
ある)へ赴き、ここで生ける時と同じような生活を営むものだと信じたのである。石廓や
石棺を用いる厚葬が工夫され、使用の器具が副葬されたのもみなこれが為めである。 ....
「古事記」より 著者:太安万侶
陵は菅原の御立野《みたちの》の中にあります。 またその皇后ヒバス姫の命の時に、
石棺作りをお定めになり、また土師部《はにしべ》をお定めになりました。この皇后は狹....
「三国志」より 著者:吉川英治
へんなものだったが、定軍山の塚は、故人の遺言によって、きわめて狭い墓域に限られ、
石棺中には時服一着を入れたのみで、当時の慣例としては質素極まるものだったという。....