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石灰
「石灰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石灰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
恐《おそろ》しい悪い病が流行《はや》って、先に通った辻などという村は、から一面に
石灰《いしばい》だらけじゃあるまいか。
(もし、姉《ねえ》さん。)といって茶店の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
もまだまだもっと古いほとんど五万年も昔の文化の遺跡が、南フランスや北部スペインの
石灰洞の壁に描かれた、おもにマンモスや馴鹿や馬などの、着色画に残ってはいるが、し....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
かりの人たちが、すこぶるものなれた調子に、撲殺の準備中であった。牛の運動場には、
石灰をおびただしくまいて、ほとんど雪夜のさまだ。 僕は主人の案内でひととおり牛....
「振動魔」より 著者:海野十三
。それは世間によく知られているカルシウム粉末を患者の鼻の孔から吸入させて、病巣に
石灰壁を作る方法と些か似ているが、白石博士の固化法では、病巣の第一層を、或る有機....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
覚だけの快さとが心の中に触れ合うと、まるで神経が感電したようにじりりと震え痺れ、
石灰の中へ投げ飛ばされたような、白く爛れた自己嫌悪に陥った。 かの女は目も眩む....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
際に立ち、じっと前方に瞳を凝らしはじめた。円廊の対岸には、二つの驚くほど涜神的な
石灰面が壁面を占めていた。右側のは処女受胎の図で、いかにも貧血的な相をした聖母が....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
を交替して、池の話をした。 「変った池ですね。水が牛乳のように白いですね。多量に
石灰を含んでいる。しかしこの辺は他に
石灰質のところを見かけないんだが、あの池だけ....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
から知れている毒瓦斯ではありません。そんな毒瓦斯は、吸着剤の活性炭と中和剤の曹達
石灰とを通せば遮られるし、ゴム衣ゴム手袋ゴム靴で結構避けられます。そういう防毒手....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
人間の肉や皮は燃えおち、人骨さえ、もう形をとどめず、ばらばらとなって、一つかみの
石灰としか見えなくなる。 「もうこの辺でよろしかろう。ほう、ずいぶん手間をとらせ....
「東京要塞」より 著者:海野十三
った。 この漆喰は、かねて話に聞いたとおり、普通の漆喰とは異ったものであった。
石灰と赤土だけは普通のものを使うが、ふのりは使わず、その代り何だか妙にどろどろし....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
噎び返りながらテーブルの前へ起きて来た。吐気に抵抗しながら二三杯毒々しいほど濃い
石灰色のキャフェを茶碗になみ/\と立て続けに飲んだ。吐気はどうやら納って、代りに....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
際にあるらしいのです。むろんそれは、土地によって高低がちがうでしょうが、岩塩と、
石灰岩層を貫いて流れている。しかも、その大盲谷二万マイルのうえは豊潤な油層だ」 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
女は聖水のしぶきが振りかかるやいなや、美しい五体は土となって、ただの灰と、なかば
石灰に化した骨と、ほとんど形もないような塊になってしまいました。 冷静なセラピ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
第である。それゆえロンドンを立ってデボンシャイアに来たばかりで、もう花崗石だの、
石灰石だのという、ロンドンあたりでは見られぬものが地上に顕われて来たので、これが....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
を張った外廓に添って其の花園のはずれまで歩くと市街建築の取り付きである二階造りの
石灰を塗った古ぼけて小さな乾物屋が在る。其の角を二人は右に切って静かに落ち付いた....