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石筍
「石筍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石筍の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。氷河氷の雨が、簾《すだれ》を立てたように降りしきるかと思えば、また、太く垂れて
石筍《せきじゅん》をつくり、つるつる壁を伝わる流れは血管のように無気味だ。そして....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
異様な疑問を摘出するのだった。
ところが、はたして彼の言のごとく、窓の掛金には
石筍のような錆がこびり付いていて、しかも、清掃されている室内には、些細の痕跡すら....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
窟だ。マヌエラ、あなたには想像もできまい。まるで月世界の山脈か砂丘のような起伏、
石筍、天井からの無数の乳房、それが、光をうけるとパッと雪のようにかがやく。浄らか....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
王に遇いたかったのである。 その間も、懐中電灯のひかりが四方へ投げられている。
石筍はあり天井から垂れている美しい石乳も、どんよりした光のなかでは、老婆の乳房の....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
日本の夏の盛りの如き灼熱の日光の下に、もやもやと蒸し返された夕靄の底から、無数の
石筍の簇生を発見したような驚きであった。 そうやって初めてカイロを見た時、私は....
「パルテノン」より 著者:野上豊一郎
れ等のものはすべていたましく崩れ落ちて、わずかに半分ほどの高さに折れ残った円柱が
石筍の如く立ち枯れてるような有様で、屋根はもとより、天井もすべて脱け落ちたままで....