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石膏
「石膏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石膏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
拳は、鏨の手の拳に打ち卸される。窓から覗いているくめ子は、嘗《かつ》て学校で見た
石膏模造の希臘《ギリシア》彫刻の円盤投げの青年像が、その円盤をさし挟んだ右腕を人....
「鮨」より 著者:岡本かの子
元狩猟銃器店の主人、デパート外客廻り係長、歯科医師、畳屋の伜、電話のブローカー、
石膏模型の技術家、児童用品の売込人、兎肉販売の勧誘員、証券商会をやったことのあっ....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
が一棟あった。納屋の中にはストオヴが一つ、西洋風の机が一つ、それから頭や腕のない
石膏の女人像が一つあった。殊にその女人像は一面に埃におおわれたまま、ストオヴの前....
「人間灰」より 著者:海野十三
引き上げてみると、それは外ならぬ赤沢博士の屍体だった。全身は真白に氷結し、まるで
石膏像のようであったが、その顔には恐怖の色がアリアリと見えていた。――青谷技師は....
「地中魔」より 著者:海野十三
た靴跡が残っているのを発見することができた。 「やあ、しめたしめた」三吉は用意の
石膏をとかして、手早くその靴の形を写しとった。それは真白の靴の底だけのようなもの....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
びた朱いろの絨緞を敷きつめたところどころに、外国製らしい獣皮の剥製が置いてあり、
石膏の女神像や銅像の武者像などが、規律よく並んでいる。 かの女を出迎えて、それ....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
わたくしたちは、それから息子の部屋へデッサンの描きさしを見に行った。モデルに
石膏の彫像を据えて息子は研究所の夏休みの間、自宅で美術学校の受験準備の実技の練習....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、検事と熊城がすでに夜食を終っていた。その卓上には、裏庭の靴跡を造型した二つの
石膏型と、一足の套靴が、置かれてあった。そして、それがレヴェズの所有品で、ようや....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
あって、やることがきびきびしていた。 坑道のあらゆる底が調べあげられた。そして
石膏で模型が作りあげられた。その結果、この怪物は土中から出てきたのではないことが....
「怪塔王」より 著者:海野十三
Qガスという世界のどこにも知られていない強いガスです。これはうんと冷して、固めて
石膏のようにし、缶づめにしてあります。使うときは、その缶づめの栓をひらくと、その....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でした。彼女の寝ている姿は、巧みな彫刻家が女王の墓の上に置くために彫りあげた雪花
石膏の像のようでもあり、または静かに降る雪に隈なくおおわれながら睡っている少女の....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ンクつぼ(ふたはおねえさんがなくした)それから、原稿を焼いたおわびに一ばん大切な
石膏のうさぎ。 ベス(もしわたしの後まで生きていれば)には、人形、小さなタンス....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
うな男だった。おまけにおとなしく鼻もかむ。 「すこし塩をつけて喰べてみたらどう」
石膏屋のおかみさんが歯朶子に教えて呉れた。おかみさんは歯朶子に払う助手料を差引く....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
…… 花田 死骸になってここにはいる奴はこれだ。(といいながら、壁にかけられた
石膏面を指さす)こいつに絵の具を塗っておまえの選んだ男の代わりに入れればいいんだ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
度をしてあげようとされているのでした。 「標本なども見てやってみましたが、白粉は
石膏や漆喰いと違いましてね、手におえません」。白粉だらけになった身体を拭きはたき....