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砂洲
「砂洲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂洲の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
から、中学を卒業するまで、自分はほとんど毎日のように、あの川を見た。水と船と橋と
砂洲《すなず》と、水の上に生まれて水の上に暮しているあわただしい人々の生活とを見....
「黴」より 著者:徳田秋声
きそうな心臓の響きに、耳を澄ましたりした。 やがて高い向う河岸の森蔭や、下流の
砂洲に繁った松原のなかに、火影がちらちらしはじめた。電が時々白い水のうえを走った....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
叢に腰を下ろすのであった。すぐ川下の方には鉄橋があり、水の退《ひ》いた川には白い
砂洲《さす》が朧に浮上っている。それは少年の頃からよく散歩して見憶《みおぼ》えて....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
って流れて来る河水は、おしよせる潮のいきおいに波立ちさわいだ。ひろびろとした白い
砂洲《さす》を両わきに見ていよいよ海にはいろうとする。そのとき、河は、水脈を受け....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
に行った。それも目堰網といって一番網目の小さい網をセッセと自分で繕って、那珂川の
砂洲を渡り歩いたものであった。 その扮装は古手拭で禿頭に頬冠りをした上から古い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
片腕」 「なるほど、人の片腕に違いございませんな」 七兵衛はその片腕を棒の先で
砂洲《さす》の上へ掻《か》き上げて、腕を一見すると、意味ありげな笑い方。 「こん....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
いが もっとも美しい表情となる時を! ぼくらはいつも燃える景観をもつ 火環列島の
砂洲の上の都市 ビルディングの窓は色のない炎を噴き ゴーストップが火に飾られた流....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
す。婦人作家の新しい質の現れて来るところです。何という題にしましょうね。「新しい
砂洲」とでもしましょうか。わるくないでしょう。
砂洲はいけないかしら。でも東京だっ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
早めに昼食をすますと、恭一と次郎をつれて大川に行った。ちょうど干潮時で、暗褐色の
砂洲が晴れ渡った青空の下にひろびろと現れていた。 三人は、喧しく行々子の鳴いて....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
羅の南、交趾支那の北、これぞ王国柬埔寨の位置で、メコン河の下流、トッテサップ湖の
砂洲に、首都プノンペン市は出来ていた。町の東北に片寄って、巍然として聳える高楼こ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
事な落葉松の老木が多い。 奥廊下の隘口から解放された黒部川の水は、右岸に大きな
砂洲を吐き出して、左岸に沿うて流れている。この洲あるが為に東沢の合流点は、次第に....