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砂礫
「砂礫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砂礫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
て凝った血が、岩となって二枚目の肋骨としてまわりに張っていた。 自分は泣く泣く
砂礫を拾って、裸骨へ根気よく肉と皮を覆うた。 しばらく、爽かで湛えた気持の世の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
督の教会に於て、私は明かに偽善者の一群に属すべきものであるのを見出してしまった。
砂礫のみが
砂礫を知る。金のみが金を知る。これは悲しい事実だ。偽善者なる私の眼には....
「河明り」より 著者:岡本かの子
層を観察するのに都合がよかった。第四紀新層の生成の順序が、ロームや石や砂や粘土や
砂礫の段々で面白いように判った。もうこの時分、娘は若い学者の測量器械の手入れや、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
凋落。 延暦十九年六月六日。富士|山顛自焼。 延暦二十一年正月八日。昼夜|炬燎、
砂礫如。 貞観六年五月二十五日。大火山其勢甚|熾。 寛平七年十一月。神火埋。 長....
「死体蝋燭」より 著者:小酒井不木
宵から勢いを増した風は、海獣の飢えに吠ゆるような音をたてて、庫裡、本堂の棟をかすめ、大地を崩さんばかりの雨は、時々|
砂礫を投げつけるように戸を叩いた。縁板という縁板、柱という柱が、啜り泣くような声....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
か陽が射さず、周囲は苔と湿気とで、深山のような土の匂いがするのだった。 細かい
砂礫を敷き詰めた堂の内部には、蜘蛛の巣と煤が鐘乳石のように垂れ下っていて、奥の暗....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。 竹を掉抜きに、たとえば串から倒に幽霊の女を釜の中へ入れようとした時である。
砂礫を捲いて、地を一陣の迅き風がびゅうと、吹添うと、すっと抜けて、軒を斜に、大屋....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ある。所々の水溜には小魚がピチピチ刎ねているし水草が岩石にからまっている。底には
砂礫が溜まってはいるが泥はほとんど見あたらない。
砂礫に埋もれて恐龍の死骸が幾個も....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
のは、胡摩塩状斑点が減じて青色を帯び、赤褐色の大豆大の塊が点々混ってやや軟かい、
砂礫の多量に含む処を見ると、風化し易いように思われる。山稜は大抵牛脊のようで、兀....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
一頓しかけて、旭岳を起す。二峰となりて、東なるは低く、西なるは高し。雪田を踏み、
砂礫を攀じて、二峰の中間に達し、東峰を後にして、西峰を攀ず。砂の斜面急也。五、六....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
だと解する。にわかに濃霧が山を閉じ籠めて、旅客が行くべき道を失ったり、或いは烈風
砂礫を飛ばして、行人の生命を奪ったりする様な場合には、それは山神が人間を要求して....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
来ないで暖かでその晩ばかりは心安く休んだです。ところがその翌日また
広原の大風
砂礫を捲き来る
に池がある(池また川、川また池となるの意)。池はさほど大きなも....
「若き姿の文芸」より 著者:小川未明
品に対した時、其の作品から吾人は何等の優しみも、若やかな感じも与えられず、恰かも
砂礫のような、乾固したものであったなら、其れは芸術品としての資格を欠くと謂い得る....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
浄土山の東側に通じて緩くうねっている、夫を避けてわざと右の窪地を登った。一ところ
砂礫の間に雪消の跡らしい湿地はあったが、水は終に得られなかった。白山一華、高根菫....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
となって落下している様が奇観であり、崖上の木立も幽邃である。此の瀑の壁は下が脆い
砂礫の層で、其上を熔岩で掩うている、それで下層から先に抉れ落ちて、終には上の熔岩....