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研ぎ
「研ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
研ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
靨は決して夏子の顎の笑靨に見劣りはせぬ、夏子は若く水々して愛らしく、秀子は洗って
研ぎ出した様に垢|脱《ぬ》けがして美しい、生際は夏子の方が優って居るが口許は確か....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
よって、相手が昼間の老僧であることが分かった。それと同時に、その老僧の右の手に、
研ぎ澄まされた剃刀がほの白く光っているのを見た。が、彼にはそれを防ごうという気も....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
する軍曹をおどしつけた。みんなはそれを知っているので、敵の四、五名もそのナイフを
研ぎだした。 夕方僕は味方の四、五人と謀って、敵に結びついた東京の一番有力な何....
「河明り」より 著者:岡本かの子
した。 娘は微笑し乍ら会釈して、その花に何か暗示でもあるらしく、煙って濃い瞳を
研ぎ澄し、じーっと見入った。豊かな肉附き加減で、しかも暢び暢びしている下肢を慎ま....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
と紫の結目で、西行法師――いや、大宅光国という背負方をして、樫であろう、手馴れて
研ぎのかかった白木の細い……所作、稽古の棒をついている。とりなりの乱れた容子が、....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
行った。 「そこで厨川君は、珠数の垂れを合掌している両手に絡めて置き、予め鋭利に
研ぎ澄まして置いた提灯の鉄芯を顱頂部に当てて、それを渾身の力で押し込んだのだ。し....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
陣取っている。ちっとも恐れる必要はない。しかし決して油断は出来ない。鏃を磨き刀を
研ぎ楯を繕い弓弦を張れよ!」 この勇ましい雄弁がどんなに土人達を感心させたか、....
「光は影を」より 著者:岸田国士
た。もちろん、酒のせいも手伝つてはいようが、彼は、自分の精神と感覚がこれほど鋭く
研ぎすまされた状態を、これまで一度も経験したことはないように思つた。 彼は、た....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
黒ん坊の始末をすることになった。 彼はまだ死に切れずに唸っているので、源兵衛は
研ぎすました山刀を持って来てその喉笛を刺し、胸を突き透した。こうして息の絶えたの....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。東京に出でばかかる事はあるまじ。龍は深淵にあらねば潜れず、東京へ出て我が才識を
研ぎ世を驚かすほどの大功業を建てるか、天下第一の大学者とならんと一詩をのこして新....
「愚かな男の話」より 著者:岡本かの子
駱駝一匹料理するのであるから手数がかかる。切り剖く庖丁はじき切れなくなって何遍も
研ぎ直さねばならなかった。男は考えた。こう一々
研ぎ直すのでは手数がかかってやり切....
「春」より 著者:岡本かの子
気なく振り切れない。 鏡を持って行って見せてやる。丸い手鏡の縁に嵌まって、よく
研ぎ澄ました鏡面が、京子の淋しいきちがいと光らせ、傍の者を眩しがらせてから、も一....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
も快げに見えた。 夕空 十一 時に五助は反故紙を扱いて
研ぎ澄した剃刀に拭をかけたが、持直して掌へ。 折から夕暮の天暗く、筑波から出た....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
廉物のおきゃん達が最初に吊るし上げられて、
跡にはすぐにその女を、贄卓の前で
研ぎ澄ました鉞が待ち受けているのだ。
ファウスト
不遠慮な邪魔が、うるさ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
無いのは其|所為であるかも知れぬ。長次郎は厭な夢を見たと言いながら鍋を提げて米を
研ぎに行く。聞いて見ると、何でも誰か岩と一緒に谷底へ落ちたのだそうだ。急いで下り....