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研ぐ
「研ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
研ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
ように見えたろう、雨は小止みになる。
蒼黒い森を穿って、梓川の支流岳川は、鎌を
研ぐように流れる、水の陰になったところは黒水晶の色で、岸に近いところは浮氷のよう....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
一つ鎌をもうけたが、是を見な、古い鎌だが鍛《きてえ》が宜《い》いと見えて、研げば
研ぐ程よく切れるだ、全体《ぜんてえ》此の鎌はね惣吉どんの村に三藏という質屋がある....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
たのだ。血に染った剣はふいても、ふいてもすぐ錆が来た。それを彼等は、土でこすって
研ぐのだった。 栗本は剣身の歪んだ剣を持っていた。彼は銃に着剣して人間を突き殺....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
と突き抜ける訳のものだ、錆ていようが丸刃であろうが、さような事に頓着はいらぬから
研ぐには及ばん、又憎い奴を突殺す時は錆槍で突いた方が、先の奴が痛いから此方が却っ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
鋭いな。(と鎌を見る。) 晃 月影に……(空へかざす)なお光るんだ。これでも鎌を
研ぐことを覚えたぜ。――こっちだ、こっちだ。(と先へ立つ。) 百合 お気をつけ遊....
「夜の靴」より 著者:横光利一
一度も激したことのないような笑顔である。 八月――日 雨過山房の午後――鎌|
研ぐ姿、その蓑からたれた雨の雫。縄なう機械の踏み動く音、庭石の苔の間を流れる雨の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
何をしてござるのか。」と、廉平はわざと落着いて、下からまず声を送った。 「石鑿を
研ぐよ。二つ目の浜の石屋に頼まれての、今度建立さっしゃるという、地蔵様の石を削る....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
歌をも作っているが、下の句はなかなか旨い。 ○ 剣刀いよよ
研ぐべし古ゆ清けく負ひて来にしその名ぞ 〔巻二十・四四六七〕 大伴家持 大伴家....
「木彫ウソを作った時」より 著者:高村光太郎
ている山の小鳥の気魄を木で出して見たくてたまらなくなり、それから鑿を研ぎ、小刀を
研ぐのに二、三日かかって、わき目もふらずに彫りはじめて七日目にやっと出来た。出来....
「翻訳のむずかしさ」より 著者:神西清
は転手古舞《てんてこまい》で、材料の吟味はもとより、ろくろく庖丁《ほうちょう》も
研ぐひまがないという景気になる。つまり濫訳《らんやく》の弊が生じるわけだ。もっと....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
し御同様じゃで、」 「御同様※」と五助は日脚を見て仕事に懸る気、寮の美人の剃刀を
研ぐ気であろう。桶の中で砥石を洗いながら、慌てたように謂返した。 「御同様は気が....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
だけに、まあ、嘘はないと見ておきました。それに日和佐の宿あたりには、それ程の刀を
研ぐ腕の研師はありますまいから、わざわざ徳島の城下まで持ってきたに違いありません....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
て、 「鎌倉へ行くのか」 と、心細げに、うなずかれる。鬢を吹くかぜが白いお顔を
研ぐ。 両探題は、すぐ、 「御馬上へ」 と、みかどへも、法皇上皇へも、駒をす....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たく慚愧したとやら、これも当時の評判であったという。 四明ヶ|岳の樹氷、湖水を
研ぐ北風。叡山東坂本の行宮は、寒烈、そんな一語ではつくせない。言語に絶する寒さだ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
義をまねて、清盛を狙う悪源太があり、常磐の貞操にこらしめの刃を加えんものと、刃を
研ぐ、金王丸のごとき血気未熟の若者もある。 頼朝は、伊豆に。牛若は鞍馬に。――....