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砲車
「砲車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
砲車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
言葉なぞを胸に浮べながら、窓に行って眺《なが》めた。
六頭の馬に挽《ひ》かれた
砲車の列が丁度その町を通った。一
砲車|毎《ごと》に弾薬の函《はこ》を載せた車が八....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
自分で歩いているのかいないのか、それすらはっきりとはわからぬ。 褐色の道路――
砲車の轍や靴の跡や草鞋の跡が深く印したままに石のように乾いて固くなった路が前に長....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
の通る音がガラガラといつも高く聞こえる。そのころ機動演習にやって来た歩兵の群れや
砲車の列や騎馬の列がぞろぞろと通った。林の角に歩兵が散兵線を布いていると思うと、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
汽笛。夜は北から響く烏山の水車。隣家で井汲む音。向うの街道を通る行軍兵士の靴音や
砲車の響。小学校の唱歌。一丁はなれた隣家の柱時計が聞こゆる日もある。一番好いのは....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
《さんらん》たる数十万の狂人の大軍が林の中から、三色の雲となって層々と進軍した。
砲車の轍《わだち》の連続は響を立てた河原のようであった。朝に輝いた剣銃の波頭は空....
「東京要塞」より 著者:海野十三
物とに集った十万人ちかい東京市民の間を、マール号の陸戦隊員二百名が、例の記念塔を
砲車|牽引車に積んで、粛々と市中を行進した。 それを見ると忠魂記念塔は、長いま....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
ィンのプラーテル、ベルリンのルナパークあたりでは、蚤の見世物があった。蚤に小さい
砲車を引かせたりして、ワーテルロー出陣の場面だなどと説明するのは、邪気がなくてお....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
――味方の者らよ、敵の者らよ、進み行き、俺《おれ》を踏みつぶせよ。勝利を得る
砲車の通過を、俺の身体の上に感じさせよ。俺は俺の肉体を粉砕する鉄火のことを考えず....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いかにもでっぷりして、重々しく、またぶかっこうだった。ちょうど大きな大砲をのせる
砲車のようだった。車輪や箍《たが》や轂《こしき》や心棒や梶棒などは厚く道路の泥を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た。しかし道路は通行に困難をきわめ、各師団は泥濘《でいねい》の中に足を取られた。
砲車は轍《わだち》の中に轂《こしき》の所までも没した。その上、ワーヴルの狭い橋で....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
べた。そしてたちまちにして、ヨーロッパは色を失い耳をそばだて、軍隊は行進を初め、
砲車は回転し、船橋は河川に渡され、雲霞《うんか》のような騎兵は颶風《ぐふう》の中....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
絶えていず、わずかな街灯がまだともってる町々には、サーベルや銃剣の金属性の光や、
砲車の重い響きや、刻々に大きくなってゆく黙々たる軍隊の蝟集《いしゅう》など、すべ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
戦士らの瞳《ひとみ》は、ものすごくなった。
一門の大砲が現われた。
砲手らが
砲車を押し進めてきた。大砲は発射架の中に入れられていた。前車ははずされていた。砲....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
むかつて盛んに砲撃をやつている。 一発うつたびに白い煙がぱつと立つ、いきおいで
砲車があとずさりをする。砲兵たちは身をかわしてぱつと散る。すぐに集つてきて次の行....
「接吻」より 著者:神西清
、中隊長殿、きのう鉄工卒のアルチェーミエフが泥酔しましたので、中尉殿が彼奴を予備
砲車の前車へ乗せるように命令されました。」 曹長の報告はまだ続いて、カルポフが....