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破れる
「破れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
のしり騒ぐ人々の群れを、誇らかにながめやった。
それも無理はない。彼は、味方の
破れるのを見ると、よしや何物を得なくとも、この馬だけは奪おうと、かたく心に決した....
「或る女」より 著者:有島武郎
わ》れていた。先刻けつまずいた拍子に破れたのかしらんと思ってみたが、それくらいで
破れるはずはない。怒りに任せて胸がかっとなった時、破れたのだろうか。なんだかそう....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
をお前たちに伝えるのを恐れたばかりではない。又お前たちを見る事によって自分の心の
破れるのを恐れたばかりではない。お前たちの清い心に残酷な死の姿を見せて、お前たち....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ど》に、地方《いなか》の習慣《ならい》で、蘆《あし》の簾《すだれ》の掛ったのが、
破れる、断《き》れる、その上、手の届かぬ何年かの煤《すす》がたまって、相馬内裏《....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
になった。全身はかつて覚えのない苦しい快い感覚に木の葉の如くおののいた。喉も裂け
破れる一声に、全身にはり満ちた力を搾り切ろうとするような瞬間が来た。その瞬間にク....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
下に答えた。 「では犯人の名は……」 その瞬間だった。 「ガチャリッ」と硝子の
破れる音が隣室ですると、屋根から窓下にガラガラッと大きな物音をさせて墜落したもの....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
れは一人のようでもあり、二人のようでもあった。と、途端にガチャーンといって硝子の
破れるような凄じい音がして、これにはクラブ館の誰もがハッキリと変事に気がついたの....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
息をのみ、おどろきとおそれをもってその星の面を眺めたが、とつぜん三根夫は、心臓が
破れるほどの第二の驚愕にぶつかった。 というのは、その星の面には、模様のような....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
子かゴムみたいに、いくら体をぶっつけても怪我をしないかわりに、どんなことをしても
破れるようなことはないのです。そんなに丈夫な壁なのです」 帆村は手まねをまぜて....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
ってそこに立っていた。登志子にはその沈黙が苦しく気味悪くてたまらない。その沈黙の
破れるときが恐ろしくてたまらない。けれどそれをどうすることも出来ないのだ。はやく....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
のまま遂に起たざりし、尉官が両の手に残りて、ひょろひょろと立上れる、お通の口は喰
破れる良人の咽喉の血に染めり。渠はその血を拭わんともせで、一足、二足、三足ばかり....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
えるのを守っていました。けれども、もうだいぶ時間が経っているのに卵はいっこう殻の
破れる気配もありませんし、訪ねてくれる仲間もあまりないので、この家鴨は、そろそろ....
「白光」より 著者:井上紅梅
、甕の口が出て来ない。陳士成はいらいらして力任せに掘り下げると、コツンと一つひび
破れる音がしてすこぶるひどく手にこたえ、鋤の尖に何か固いものがぶつかった。そこで....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
かめて、口先で何か断りを言いながら、それに封印して去ったあと、彼は、はじめて胸が
破れるほど打っていたのを知ったのであった。 第一、炭運びが出来やしない、書き入....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
は冷たくなる、火は消える、声は出なくなる、唄は忘れる、猫は煩らう、鼠は騒ぐ、襖は
破れる、寒くはなる、大戸を閉める、どこへどうしたろうと思う……お婆さん。 串戯....