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破傷風
「破傷風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破傷風の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
事、入梅《にゅうばい》で書物が大半|黴《か》びてしまった事、抱《かか》えの車夫が
破傷風《はしょうふう》になった事、都座《みやこざ》の西洋手品を見に行った事、蔵前....
「カズイスチカ」より 著者:森鴎外
らない為めばかりではなかった。 診断は左の足を床の上に運ぶ時に附いてしまった。
破傷風である。 花房はそっと傍《そば》に歩み寄った。そして手を触れずに、やや久....
「蠅男」より 著者:海野十三
いる」 「ほほう、――」 「一つは右足の拇指がすこし短いのだ。よく見ると、それは
破傷風かなんかを患って、それで指を半分ほど切断した痕だと思う」 「なるほど、それ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
い」 長「畏まりましたが、先達て職人の兼という奴が、鑿で足の拇指を突切った傷が
破傷風にでもなりそうで、甚く痛むと云いますから、相州の湯河原へ湯治にやろうと思い....
「戦場」より 著者:夢野久作
なしにバタバタと薙ぎ倒おされ、千切られ、引裂かれ、腐敗させられ、屍毒化させられ、
破傷風化させられて行くことである。 その劇薬化させられた感情の怪焔……毒薬化さ....
「白くれない」より 著者:夢野久作
のキリシタン寺の地内へ遊びに遣りませんそうで……あの地内でウッカリ転んだりすると
破傷風になるとか、何とか申しましてナ……」 「フウム。そんな事が在るもんかなあ今....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、島野さんも、生命にゃあ別条はないっていうけれどね、早く手当をしてくれ、破、破、
破傷風になるって騒ぐんで、ずきりずきりと脈を打っちゃあ血が湧くのが肝にこたえるっ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
女中の足の指も腐らせてしまったが、あんぽんたんの父の手の外傷《きず》も例の膏薬で
破傷風《はしょうふう》にしてしまった。がまん強い父が悪熱《おねつ》にふるえて、腕....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
から落ちた時に頭を強く撲ったのであろうと言い、ある者はさざえの殻でぶたれた傷から
破傷風になったのであろうと言い、その診断がまちまちであった。四郎兵衛は高熱のため....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
しみて用いられなくなったから、しからばというので、犬になめさせた。 なぜなら、
破傷風の特効薬は洋の東西を問わず犬の唾液から製する。目下それ以外に製法がないとい....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
死ぬというのは只ごとじゃありません」 「医者の診断《みたて》はどうなんです」 「
破傷風《はしょうふう》というんですが、そのへんのところがはっきりしない。医者が先....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
まあ滅相な、ゆるりと臥んでおいでなされおいでなされ、今日は取りわけ朝風の冷たいに
破傷風にでもなったら何となさる、どうか臥んでいて下され、お湯ももうじき沸きましょ....
「三国志」より 著者:吉川英治
も一悲報が来た。それはさきに負傷して成都へ還っていた張飛の子|張苞の死であった。
破傷風を併発してついに歿したという知らせが孔明の手もとに届いた。 「ああ。……張....