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破却
「破却〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破却の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
迎うる受動性を表現する。しかし「いき」の形相因たる非現実的理想性は、一元的平衡の
破却に抑制と節度とを加えて、放縦なる二元性の措定《そてい》を妨止《ぼうし》する。....
「富士」より 著者:岡本かの子
が見るものの心積りの高さにかなりの相違があっても、全然見るものの心積りを根底から
破却し去らない限り、そこに観念なるものと実在なるものと比較し得られる桟《かけ》は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《かみ》からの命令ではなかったが、こういう事件を仕出かした以上、三島に向ってその
破却を勧告するのが親類の義務であった。秘密をつつんでいた土蔵も無論に取り崩された....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
模守忠隣が幕府の命令によって突然に小田原領五万石を召上げられ、あわせて小田原城を
破却されたのである。 その子細は知らず、なにしろ青天の霹靂ともいうべきこの出来....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
れてしまった。時はあたかも神仏混淆の禁じられた時代で、祭神のはっきりしない神社は
破却の運命に遭遇していたので、この小袋明神も再建を見ずして終った。その遺跡は明神....
「虎」より 著者:岡本綺堂
。他の関係者は追放に処せられた。」 「なるほど大事件でしたね。」 「友蔵の小屋は
破却だ。観世物小屋はいつでも取毀せるように出来ているのだから、
破却は別に問題にも....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
し、内閣修史局で模写をつくり原本を本主に返したともあるから、それらを機縁に一部を
破却する必要があったのかも知れぬ。 ★ 白髯神社は武蔵野に....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
はゆる新傾向の称道を見るに至り俳諧も遂に本来の面目《めんもく》体裁《ていさい》を
破却せられ漸く有名無実のものとならんとす。これ現代俳句界の趨勢《すうせい》なり。....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
底には既に動しがたき定見がある。定見とは伝習の道徳観と並に審美観とである。これを
破却するは曠世《こうせい》の天才にして初めて為し得るのである。 わたしの眼に映....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
道を辿《たど》るに外ならない。これに加うるに日々《にちにち》昔ながらの名所古蹟を
破却《はきゃく》して行く時勢の変遷は市中の散歩に無常悲哀の寂しい詩趣を帯びさせる....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たからだろう。 一面。菊池の黒木城の方は、 三月十七日 寄手 ことごとくこれを
破却 菊池一類は 本地へ向つて潰走のまま お味方総勢 目下□追撃に移りをり 肥後....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
が名分はどうあれ、それは正成が尊氏へ降伏したものとなることに変りはない。現朝廷を
破却し奉り、我意を以て、ほかの皇を立てんとする大逆人に何で正成が同調しようか。さ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
者に、古来からの王法仏法を、思うままにさせてなろうか」 「夢窓を追放し、天龍寺を
破却せよ」 「しからずんば、嗷訴(大衆の示威運動)あるのみだ。日吉山王の神輿を挙....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
山の末寺であった。したがって山法師出動の際には、ツルメソは常にその先棒となって、
破却打壊しの任務に当っていた。彼らは山法師の使嗾によって建仁寺を破壊した。仏光寺....