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破天荒
「破天荒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破天荒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
一夜の饗宴《きょうえん》はさりげなく終わりを告げた。
木部の記者としての評判は
破天荒《はてんこう》といってもよかった。いやしくも文学を解するものは木部を知らな....
「或る女」より 著者:有島武郎
って来てから、家を明けるような事は一度もなかった。それは倉地自身が告白するように
破天荒《はてんこう》な事だったらしい。二人《ふたり》は、初めて恋を知った少年少女....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
」が上場された。恐らくそれは舎弟の三木竹二君の斡旋に因るものであろうが、劇界では
破天荒の問題として世間の注目を惹いた。戦争中にも拘らず、それが一つの呼物になった....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
で、一挙にして飛行島を破壊し海底に沈めてしまおうというのであった。 なんという
破天荒の計画であろう。またなんという大胆な行動であろう。 爆弾庫の口が、やっと....
「流線間諜」より 著者:海野十三
工作なのであった。もし其の怪計画が不幸にして曝露するようなことがあれば其の計画の
破天荒な重大性からみて、日本帝国は直ちに立って宣戦布告をするだろうし、同時に列強....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
へお迎えに出るところでござりました」 「そんなに暴れるのか」 「伺いますと、正に
破天荒。もう今までに十四、五人は切ったげにござりまする」 「ほほう、十四、五人も....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
へも、なんとか手段を尽せばゆけないものでもない。 そうだ。故国一朝有事の際の、
破天荒な電撃――。一隻の潜水艦、十人の挺身隊。もし覗き穴さえわかれば、それで事足....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は或はあり得ぬとは保障し難い。 しかしこれらを斟酌しても本書は日本に於いては
破天荒の著書である。是を完成し終った後、先生は二月一日突然発病し僅々三十五時間で....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いた犯人が、背後から兇行を行ったのだよ。然し、屍体の形状を見ると、無論それには、
破天荒な機構が潜んでいる事だと思うがね」 「機構※」検事は熊城らしくない用語に微....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
で天下を取ろうとは毛頭考えぬ」 黒姫|山下から金塊を取出したら、それを運用して
破天荒の奇策を弄し、戦わずして徳川一門を滅亡させる考えで有ったのが、その黄金の一....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
セットをつければ、どうみても典型的|貴族出士官だ。 そのキューネが、この五月に
破天荒な旅を思いたち、独領ニューギニアのフインシャハから四千キロもはなれた、かの....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
、べつに大した動機ではない。ただ、 「何かこう人をあっといわすような、意想外の、
破天荒なことをしてみたい」 という単純な思いつきに過ぎなかったのだ。 横紙破....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
蓄、無駄を怖れる精神、――すべて軽蔑していた。信吉の意に適っているのは、野放図、
破天荒、横紙破り、常規を逸したもの、破目を外したもの、尻尾を出すこと――いわゆる....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
たようで、見っともないよ、私の情人の癖にさ。」 引手茶屋の女房の耳にも、これは
破天荒なことをいって、罪のない笑顔を俯向け、徒らに衝と火箸で灰へ、言を消した霞に....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
いよ済まぬ事をしたと、朝飯もソコソコに俥を飛ばして紹介者の淡嶋寒月を訪い、近来|
破天荒の大傑作であると口を極めて激賞して、この恐ろしい作者は如何なる人物かと訊い....