破滅[語句情報] »
破滅
「破滅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破滅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ちるか、熱病になるか、とにかくに死んだのに相違ない。これが少将もあの女も、同時に
破滅させる唯一の途《みち》じゃ。が、岩殿は人間のように、諸善ばかりも行わねば、諸....
「或る女」より 著者:有島武郎
。それともあすの船出の不吉を告げる何かの業《わざ》かもしれない。木村との行く末の
破滅を知らせる悪い辻占《つじうら》かもしれない。またそう思うと葉子は襟元《えりも....
「或る女」より 著者:有島武郎
には、葉子は泣き声に気がついて驚いたほど、われ知らずすすり上げて泣いていた。身の
破滅、恋の
破滅は今夜の今、そう思って荒々しく襖《ふすま》を開いた。
部屋の中に....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
、その日蓮論の中に彼の主義対既成強権の圧制結婚を企てている) 樗牛の個人主義の
破滅の原因は、かの思想それ自身の中にあったことはいうまでもない。すなわち彼には、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
と自由とが失われていると考えるのは間違っている。それは個性の亡失ではない。肉体の
破滅を伴うまで生長し自由になった個性の拡充を指しているのだ。愛なきが故に、個性の....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
。 クララは半分気を失いながらもこの恐ろしい魔術のような力に抵抗しようとした。
破滅が眼の前に迫った。深淵が脚の下に開けた。そう思って彼女は何とかせねばならぬと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
国にある男があった。彼は天と地が崩壊するかも知れない、しかしてそれがために自分が
破滅するかも知れないということを心配して寝食を廃するに至った。一人の友人がやって....
「赤外線男」より 著者:海野十三
たときのダリアの狂喜ぶりは、大変なものだったろう。しかしその狂喜は、同時に彼女の
破滅を予約したものでもあった。ダリアは悪魔になりきってしまった。殺人淫楽者という....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
二十五年間には優に楽々と仕遂げ得られる。一国一都市の勃興も滅亡も一人一家の功名も
破滅も二十五年間には何事か成らざる事は無い。 博文館は此の二十五年間を経過した....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
件の中において、今回の事件ほどひどい目に遭ったことはありません。文字通り心身共に
破滅に瀕するという始末です」 「一体どうしたというわけですか。誘拐された先で、ど....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
俺の旅行は、冥土の旅のごときものじゃ。昔から、事が、こういう事が起って、それが
破滅に近づく時は、誰もするわ。平凡な手段じゃ。通例過ぎる遣方じゃが、せんという事....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
の自ら進んでした結婚は破れました。それは私にはずいぶん苦い経験です。しかし、この
破滅が何から来たかと考えるとき、私はいつも自分に感謝しています。それはただ、私自....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
それは彼の足もとに恐怖の波の動くのを感じたからであった。打ち負かされたが、しかも
破滅することなく、永遠に時の来たるのを待っている「恐怖」は、皇帝の一生を通じて一....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で、両親はもとよりその他の何人にも相談一つしたことはございませぬ。これが私の身の
破滅の基だったのでございます。その性質はこちらの世界へ来てもなかなか脱けず、御指....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
てその倉庫である。何となれば倉庫は心臓で、これを破れば多数人の集合体である軍隊の
破滅を来たすからである」と断定し、戦闘についても歩兵は唯射撃するのみ、射撃が万事....