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破産
「破産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が来ている。現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある大阪の同業者が突然
破産したために、最近も代払《だいばら》いの厄に遇った。そのほかまだ何だ彼《か》だ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
も亦我我よりは幸福であろう。けれども我我人間は蟻の知らぬ快楽をも心得ている。蟻は
破産や失恋の為に自殺をする患はないかも知れぬ。が、我我と同じように楽しい希望を持....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
かち》もまた甚《はなは》だしいと言わねばならぬ。その結果は、啻《ただ》に道徳上の
破産であるのみならず、凡ての男女関係に対する自分自身の安心というものを全く失って....
「予報省告示」より 著者:海野十三
ばかりで、火星は一路衰滅に直進せることが判明し、永い間のお伽噺《とぎばなし》が御
破産となる。 世界暦千九百六十年八月八日 月世界探検に成功する。つづいて世界....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た。汗水が凝り固まってできたような銀行の貯金は、その銀行が不景気のあおりを食って
破産したために、水の泡になってしまった。命とかけがえの漁場が、間違った防波堤の設....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ていたものだが、全然無筆な男だから、人の借金証書にめくら判を押したため、ほとんど
破産の状態に落ち入ったが、このごろでは多少回復がついて来たらしかった。今の細君と....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
と、僕の方はお銭をさしあげるだけの材料を得たことになります」 「……あたしは性格
破産者なのです。兄の家にいましたが、兄は馬鹿正直なくらい昔風な一徹な性質で、新し....
「火星探険」より 著者:海野十三
丈夫かなあ、またこの前のように崖から落ちるんじゃないか。そうなれば、僕たち四人は
破産だよ。村へも帰れやしない」 「まあいい、あたいの腕前を見ておいでよ」 ネッ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ったのは或若い事業家だった。彼はいろいろの事業に失敗した揚句、とうとう去年の暮に
破産してしまった。僕は高い空を見上げ、無数の星の光の中にどのくらいこの地球の小さ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
て、 「古谷は君、掛け合っても無駄だぜ。実は、よ、あれは君、若造が馬鹿造だから、
破産したんだぜ……」 呵々大笑して、「お蔭で、この山間の村々でも、約三百軒の貧....
「瘤」より 著者:犬田卯
からも、年度替りを理由の催促を――それも前例を破って、いずれも元利合計……まるで
破産の宣告でも受けるもののようだった。 何か眼に見えない敵が前後左右からのしか....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
手あたり次第、ひとのものを取るわけにも行かないでしょうからね。」 「ニヒリズムの
破産ですかね。」 伝統拒否者 彼女は呉服ものの行商を営んでいた。家に....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
、秀岡とは姻戚関係にあるのですが、それにも不拘私の一家は秀岡の悪辣な手にかかって
破産せられ、非常にみじめな目に陥入れられたのです」 「秀岡氏と君との間に今朝以来....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
人、更に最う一つ加えると極めて常識に富んだ非常識な人――こういう矛盾だらけな性格
破産者であって、この矛盾のために竟に一生を破壊に終った人であった。 二葉亭の古....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ゆる国家総動員には重大なる誤断あり。もし百万の軍を動かさざるべからずとせば日本は
破産の外なく、またもし勝利を得たりとするも戦後立つべからざる苦境に陥るべし。 3....