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破綻
「破綻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
破綻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の本心を吐露するとすれば、古《いにし》えの管鮑《かんぽう》の交りと雖《いえど》も
破綻《はたん》を生ぜずにはいなかったであろう。管鮑の交りは少時問わず、我我は皆多....
「或る女」より 著者:有島武郎
その翌日から葉子はまたふだんのとおりに、いかにも足もとがあやうく見えながら少しも
破綻《はたん》を示さず、ややもすれば他人の勝手になりそうでいて、よそからは決して....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
自殺の状態にあった。女大臣の音楽浴二十四回法令は三時間とたたないうちに、恐るべき
破綻を生んでしまった。ぬくぬくと肥え太っている者は、音楽浴に漬たる義務のない女大....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
して保管してあるんだから、例えば婿が多日月給に離れるような事があっても、たちまち
破綻を生ずるごとき不面目は無い。 という円満な家庭になっているんだ。で先方の財....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
を蔽い難きを悟り、遂に最後の手段として自殺を選んだものだと。因みにT市財政は既に
破綻に瀕せる重大危機にあって市長を空席にするは一日も許されざる事情にあるを以て、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
楽天家かしらんが、この戦争は日本の勝だと信じている。ヨーロッパはもうすぐ食糧で大
破綻を生ずると思う。アメリカも食糧でたいへんらしい。食糧で反枢軸国はまず敗北相を....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
の命令から逸脱《いつだつ》するような者をこのまま黙って許しておけると思うか。事の
破綻《はたん》はみんな貴様のよけいなことをしたのに発している。こんな鞄が何に役立....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
成長が生んだ私の恋愛
破綻 伊藤野枝 自分の信ずる事の出来る唯一のものは、やはり自分自身より他にはあ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
しも卓越した芸術家ではない。たとえば彼の作品中、絵画的効果を収むべき描写は、屡、
破綻を来しているようである。こう云う傾向の存する限り、微細な効果の享楽家には如何....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
を買いかぶつている人であろう。 「自由を我等に」は作の意図と形式との間に重大なる
破綻があり、「最後の億万長者」の場合は思想のない諷刺のために息切れがしているので....
「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
りは退嬰的な、そして勉強の足りない編集方針を延長していったのでは、必ず早晩大きな
破綻を生ずるにちがいない。これを避けるには今から大事なところへ石をうっておく必要....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
望の果てに決行されるこうした行為の裏面に、世間の人が極って探し求めるような大きな
破綻は、一つとして述べられていない。かえってこの手記は人生のささやかな悲惨事の緩....
「虹と感興」より 著者:上村松園
には美しいかも知れませんが、それでは調子を荒だてるようにもなりますから、そういう
破綻を出すまいと、私としてはかなり苦心してみました。 私はこの前、徳川喜久子姫....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
れを繰返しても決して沼南の徳を累する事はあるまい。徳を累するどころか、この家庭の
破綻を処理した沼南の善後策は恐らく沼南の一生を通ずる美徳の最高発現であったろう。....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
される頗る放胆な自由恋愛説が官学の中から鼓吹され、当の文部大臣の家庭に三角恋愛の
破綻を生じた如き、当時の欧化熱は今どころじゃなかった。 先年侯井上が薨去した時....