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「硝酸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

硝酸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
の五臓とで作ったサラダ、飲み物は、沼の女の作った青みどろのお酒と、墓穴から出来る硝酸酒とでした。錆《さ》びた釘《くぎ》と教会の窓ガラスとが食後のお菓子でした。王....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
一時に打《ぶ》ちあけるのである。 と、たちまちにして、はなはだしい臭気が、発煙硝酸の蓋《ふた》でもあけたように、水蒸気と共に立ちのぼる。そしてこの水蒸気が発煙....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
。これは横浜へ明治年間に来た西洋人が、その頃日本に珍らしくて且つ高価だった硫酸や硝酸などを生産して儲けたことがあるが、それに刺戟せられて、雨後の筍のように出来た....
グスコーブドリの伝記」より 著者:宮沢賢治
を村や町へ張りました。 「窒素肥料を降らせます。 ことしの夏、雨といっしょに、硝酸アムモニヤをみなさんの沼ばたけや蔬菜《そさい》ばたけに降らせますから、肥料を....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
たものが、ときどき用いられる。すると緑色が出る。コバルトの※《ひ》(11)を粗製硝酸に溶かしたものだと、赤色が出る。これらの色は、文字を書いた物質が冷却すると、....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
。いいこと」 ミチミは杜の耳許で、声をひそめて説明した。彼の感能はそのとき発煙硝酸のようにムクムク動きはじめた。ミチミをどうしても自分のものにしないと、自分の....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る、曰《いわ》く、レモン水、過度の運動、労役、疲労、石|曳《ひ》き、不眠、徹夜、硝酸水および睡蓮《すいれん》の煎《せん》じ薬の飲取、罌粟《けし》および馬鞭草《く....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
んぼう》をもって上がってくる兵士らに対抗した。それは葡萄酒《ぶどうしゅ》ではなく硝酸《しょうさん》の壜だった。われわれはここに、その殺戮《さつりく》の陰惨な光景....
入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
患者と、特別に違った所は何もありませんでした。そこで私はこうした場合に、患者に亜硝酸アミルを吸入させて、よい結果を得ることを思い出しましたので、この時こそ、その....
紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
」 俊夫君は棚から、指紋を採る道具を出してきて、紙の縁のところに八パーセントの硝酸銀を塗り、窓際において日に乾かせました。しばらくすると、不完全な一つの指紋が....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ト・マレットが話したのに、十八年前にムンツの金属という撓み易いが、ごく強い金属を硝酸第二水銀の液に漬けると、すぐ脆い硬い物になることをファラデーに見せようと思っ....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
ば、鍔無柄巻の小刀一本(一尺足らずのものである。)金属製の小|喞筒(これで硫酸や硝酸を、敵の面部へ注ぎかけた。)精巧無比の発火用具(燧石の類である。)折畳式の鉄....
印象」より 著者:小酒井不木
T氏に異変を告げさせました。そうして私は、規則として、赤ん坊の眼病を防ぐために、硝酸銀の溶液を滴らすべく、はじめて赤ん坊の右の眼瞼をあけたのであります。 その....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
徐々に伸びて行くかのように見えるのです。今、底の平たい硝子の皿に二十プロセントの硝酸を入れ、その中へ水銀の球滴をたらし、皿の一端に重クロム酸|加里の結晶を浸しま....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ておぼつかない、カーテンを洩るる光のなかに病むものの悲哀にうちしおれていました。硝酸銀でやかれたので傷が痛みます。耐え忍ぶことの尊さを知った私は、それでも眼を閉....