硬い[語句情報] »
硬い
「硬い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
硬いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
きるのだった。だが監禁室にはそんな棒切れは厳禁になっている。いや棒切れどころか、
硬いものは釘一本|小楊子一本でも許されないのだ。――遂にこの計画は実行ができない....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
「オヤ?」 どうしたのだろう。尻あてのところに確かに手に触れなければならない
硬いものが、どうしても触れないのだ。そこはスケートリンクのように平坦だった。 「....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
けません」と教えられた。ますます頭が上らない。これから尾根に出ようとすると、雪が
硬い上に鏡のような雪が底の見えない谷に落込んでいる。その腹を左に山を控えて登るの....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
て下に落ちていった。 「おい、暗号は見つかったか」 白木は、相変らず石のように
硬い姿勢を崩さないで、私にきいた。 「まだだよ。もう少しだ。じゃ外の方は頼んだぞ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
二十貫に満ちた、逞しい人間ほどはあろう。荒海の巌礁に棲み、鱗鋭く、面顰んで、鰭が
硬い。と見ると鯱に似て、彼が城の天守に金銀を鎧った諸侯なるに対して、これは赤合羽....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
そのとき彼は、また大発見をしたのだ。タキシードのポケットに手を入れてみると、何か
硬い表紙をもった帳面のようなものが手に触れたのである。なんだろうと、引張り出して....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
た。 「どうしたのですか、今頃……」 と、帆村が聞くと、中尉はいつもとは違った
硬い様子で、 「ご迷惑でしょうが、すぐあなたお一人で、隊へ来ていただきたいのです....
「火薬船」より 著者:海野十三
、ぐさりとつき刺した。 「おい、ハルク」 「だまっておれ! くそッ」 ハルクの
硬いひじが、いきなり竹見の顎を、下からつきあげた。 竹見は、うーんと一声|呻っ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ノフさん。この飛行島をごらんになった上からは、貴下のお国でも日本に対してすぐさま
硬い決心をしてくださるでしょうね」 「そうですねえ、――」 とハバノフ氏は言葉....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
のは、灯もない、何の船やら、あの、まあ、鬼の支いた棒見るような帆柱の下から、皮の
硬い大な手が出て、引掴んで抱込みます。 空には蒼い星ばかり、海の水は皆黒い。暗....
「露肆」より 著者:泉鏡花
と乱れた露店の暗い方を。…… さてここに、膃肭臍を鬻ぐ一漢子! 板のごとくに
硬い、黒の筒袖の長外套を、痩せた身体に、爪尖まで引掛けて、耳のあたりに襟を立てた....
「白光」より 著者:井上紅梅
と同様の黒土をたくさん掻きわけてみたが、やはり際限なく感ずるうち、たちまち小さな
硬いものに触れた。丸いもの! おおかた一つの※だらけの銭! その外瀬戸物のカケラ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ムンツの金属という撓み易いが、ごく強い金属を硝酸第二水銀の液に漬けると、すぐ脆い
硬い物になることをファラデーに見せようと思って持って行った。ファラデーが早速この....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
のねじを開こうとしたがその日はどういう加減かねじがひどく硬かった。 はてすこし
硬いなと思いながら手先に力をいれてそれをひねろうとした拍子に、頭の中をつめたい風....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
なずいた。 なるほどそう言えば、いやなのを無理におさえて素振りに出さないという
硬い顔つきをしていた初世の、この間の晩の幾度かの場合を思い出すことができた。 「....