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碁会所
「碁会所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碁会所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「過古」より 著者:梶井基次郎
彼は再びその大都会へ出て来た。そこで彼は学狡へ通った。知らない町ばかりであった。
碁会所《ごかいしょ》。玉突屋。大弓所。珈琲《コーヒー》店。下宿。彼はそのせせこま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 ある日、例のごとく半七老人を赤坂の家にたずねると、老人はあたかも近所の
碁会所から帰って来た所であった。 「あなたは碁がお好きですか」と、わたしは訊いた....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
したのは。―― 万世橋向うの――町の裏店に、もと洋服のさい取を萎して、あざとい
碁会所をやっていた――金六、ちゃら金という、野幇間のような兀のちょいちょい顔を出....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
という特別なものがもうなくなっているかも知れない。 しかし、私は戦争中、東京の
碁会所で、ヒダ出身の小笠原というオジイサンと知り合った。その顔は各々の目の上やコ....
「青春論」より 著者:坂口安吾
はただ事実のみで、文章上の詩というものが、たえられない。 僕が京都にいたころ、
碁会所で知り合った特高の刑事の人で、俳句の好きな人があった。ある晩、四条の駅で一....
「文人囲碁会」より 著者:坂口安吾
る先生がこれ又喧嘩碁で、これは然し、万人が大いに意外とはしないようで、彼は新橋の
碁会所の常連であった。豊島、川端、村松三初段は全然腕に自信がなくて至って、鼻息が....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
代の空気を見聞して、それだけが私の時代との接触で、あとの一週間の六日間はたいがい
碁会所で碁を打つてゐる。けれども日本はもう駄目だといふことは私のやうな者の目にも....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
親の心子知らず、仕方がない、最上に打合けて女給の魂を入れかへて貰はなければ、と、
碁会所の彼をよびだして一杯のんで、勤労と報酬に就て一席弁ずる。然し全然手ごたへが....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
天気屋だから、さて娘が帰らないとなると、騒ぎが芝居もどきになる。当時食堂の二階は
碁会所を開いてゐたから、碁席の番人関さんだとか、元巡査山口さん、祇園乙部|見番の....
「私の碁」より 著者:坂口安吾
らったこともあるのだけれども、戦争中の約三年間、ほかにすることがなくなって、毎日
碁会所へ入りびたり、僕のすむ蒲田というところは乱戦の勇士ぞろいの行儀の悪い力持ち....
「日月様」より 著者:坂口安吾
たが、王子君五郎氏は異論があるかも知れない。 私が彼と知りあったのは、戦争中の
碁会所であった。当時の彼はセンバン工であり、同時にあとで分ったが、丁半の賭場へ通....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
っていられないから、そんなに碁が打ちたいなら、幸い食堂の二階広間があいてるから、
碁会所をやりなさい。
碁会所は達人だけが来るわけではなく初心者もくるから、初心者相....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
はそれを見破るのである。しかし、これを顧て、私も一かどの貴人であろう。 先日、
碁会所の相手に、 「御商売は?」 「巷談師です」 「ハ。講釈のお方?」 「イエ、....
「九段」より 著者:坂口安吾
に「碁の旅館もみぢ」という異様な看板を辻々へ揚げるに至った。碁の旅館といえば人は
碁会所の観念を旅館に当てはめる。
碁会所というものは、むさぐるしく小さい所である。....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
とには一字もふれていない返事であった。 終戦後は盤石が高価になったせいか町内の
碁会所というものが甚だしく少くなった。 昔私の住んでいた蒲田の矢口の渡しという....