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碌でなし
「碌でなし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碌でなしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
から提灯をさしつけ、顔をのぞいて見ると聞覚えのある声こそ道理で、老爺が一人息子の
碌でなし、到頭|村内《むらうち》にもいられず今は音信《いんしん》不通になっている....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
直ぐ行くよ」 「ちょ、ちょっと待って下さい」 浅田はうろたえ出した。 「あんな
碌でなしを呼んだって仕方がありません」 「おい」 根岸は浅田をギロリと睨みつけ....
「初蛙」より 著者:薄田泣菫
たのは、蛙にとって全くみじめでした。それにしてもマアク・トエンという人は、本当に
碌でなしの、飛んでもない悪戯を思い付く男ですね。 蛙はスマイリイが自慢の奴のよ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
れから十年間の年季奉公。それが明けると、一年の礼奉公――それを勤め上げないものは
碌でなしで、取るにも足らぬヤクザ者として町内でも擯斥されたものでありました。 ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ぎないかも知れないが、この私生児は、日の熱と土の力とを両つとも立派に持ち伝えた、
碌でなしのえらものである。 円い瓜、長目な瓜、細長い瓜、またはでこぼこの瓜――....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
とうとう五人がとこ押込みましたは、以上七人になりました、よの。 どれもどれも、
碌でなしが、得手に帆じゃ。船は走る、口は辷る、凪はよし、大話しをし草臥れ、嘉吉め....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
お恥かしくって申そうようはございませんけれども、此の者はね貴方……少さい時分から
碌でなしの根性で、放蕩無頼で、何う云う訳か他人さまの物を盗み取りましたり、親の物....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
のが金でなくて何だね? あいつらが金でなくって何をほしがるものかね? あいつらが
碌でなしの命を賭けるのは金でなくって何のためかね?」 「それはやがてわかるでしょ....
「桜の園」より 著者:神西清
いや、いや、いや、それを言わないで……(両耳をふさぐ) トロフィーモフ あいつは
碌でなしです、それを知らないのはあなただけだ! あいつはケチなやくざ野郎で、虫け....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
言にかっとなって、 「ばかッ」とどなった。 「ばかッ、そういうまねは、流れ者か、
碌でなしのすることで、れっきとした先祖代々からの百姓のすることだねえど。この青瓢....
「橋の上」より 著者:犬田卯
た。さぶちゃんなんか恐れていないようだった。兄があるからかも知れない! 「不良!
碌でなし!」 彼女はいつも一喝するのである。 圭太は胸がすくようだった。 ....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
合せて歌った。でなければまた男の子たちを怒鳴りつけるのだった。 「この根性曲りの
碌でなしめが! また楽器を壊しおったな!」 アーニャの夫は毎晩のように、同じ官....
「マリ・デル」より 著者:神西清
けながら言いつづけた、「私が出て行くわ! 聞えるの、あんたの耳!……恥知らずの、
碌でなしの、わるものの、ごますりめ! 出てらっしゃい!」 「おい、おい、人様の前....
「雨」より 著者:織田作之助
兼は執拗にのゝしった。娘をくれたろうと思てたのに、ほんまに愛想がつきてしまった、
碌でなしの不良といわれて豹一の眼は光った。一週間後に、もう夕陽丘女学校の四年生に....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
をしたりして、米を腑抜けにしてしまうからだ。彼らは米の味を知らず、価値を知らず、
碌でなしにしている。 なにごとでもそうだが、ものの妙を識り、ものを生かすことが....