碑文[語句情報] »
碑文
「碑文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碑文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。「勿論僕に、たいした史学の造詣はないがね。しかし、この事件では、オルコン以上の
碑文を読むことが出来たのだ。君はしばらく広間にいて、今世紀最大の発掘を待っていて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
御隠居はそう頑な人ではない。尊王攘夷という言葉は御隠居自身の筆に成る水戸弘道館の
碑文から来ているくらいで、最初のうちこそ御隠居も外国に対しては、なんでも一つ撃ち....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
う。半蔵は旅先ながらに土地の人たちの依頼を断わりかね、旧師のために略歴をしるした
碑文までもえらんで置いて、「慶応|戊辰の初夏、来たりてその墓を拝す」と書き残して....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
そこに居寤清水の碑を建て、あるいはまた、継体天皇の御旧居の地を明らかにして、その
碑文をえらみ、越前足羽神社の境内に碑を建てたのも、この翁だ。そうした敬神家の大秀....
「津浪と人間」より 著者:寺田寅彦
災害記念碑を建てたが、それが今では二つに折れて倒れたままになってころがっており、
碑文などは全く読めないそうである。またある地方では同様な碑を、山腹道路の傍で通行....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
さな建物の中に建っていて、裏面に楠公の木像が祠られていた。それから右の案内者から
碑文並に正成の筆という石摺などを買った。菅茶山《かんさざん》の詩『客窓一夜聞松籟....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
あろうと、何よりもまず私念なきものであることは明らかである。死者によって書かれた
碑文はまじめなものである。一つの霊魂は他の霊魂を慰めることも得よう。同じ暗黒を分....
「ヒノエウマの話」より 著者:坂口安吾
元号を書き忘れても、丙午三月とか丁寅七月というように干支の方は書き忘れない。古い
碑文や古記録なぞにはそれが多くて、いつの天皇のころの丙午であるか丁寅であるか、そ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
てして歴史的な、動かしがたい思い出などが結びついているものだが、誰しもその自然の
碑文には心を打たれ、また、それらのすべては、傷ましい荒廃の感銘にほかならないので....
「短命長命」より 著者:黒島伝治
しがきいて、又ちがった趣がある。 私は詩碑の背面に刻みこまれている加藤武雄氏の
碑文を見直した。それは昭和十一年建てられた当時、墨の色もはっきりと読取られたもの....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
門前を通ったことだけは夢のように覚えているが、今気がついて見ると私は桐ヶ|谷から
碑文谷に通う広い畑の中に佇んでいる。夜はもう二時を過ぎたろう、寂寞としてまるで絶....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
会して、手紙の往復が絶えませんでした。時には宇治までも行って、万福寺の墓地にある
碑文を写して来たりなどもしました。帰京後にも、伝記に関しては、いろいろ蔭の補助を....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
アこの信号を解するのがむつかしい。その困難は仲々以て古物学者が太古のモアブ人の石
碑文を解読する様な比では無かった。 漸く解釈が出来て見ると、分かった。火星の人....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
涸《か》れたことがないというのである。 石を囲《めぐら》した一坪ほどの水溜りは
碑文に言う醴泉《れいせん》の湧き出た井の名残であろう。しかし今見れば散りつもる落....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
に数度火災に罹ったもので、ことに扶桑略記によれば、近く和銅四年にも炎上し、大安寺
碑文と称するものにもこの寺焼失の事が見えているにかかわらず、その現存遺物の数にお....