»
碗
「碗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
碗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
来ているうちに乳の張ったのを苦にし出した。乳は真鍮《しんちゅう》の嗽《うが》い茶
碗《ぢゃわん》へいくら絞っても出て来なかった。叔母は眉《まゆ》をひそめたまま、半....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
う云う武夫を睨《にら》んだりした。しかし武夫はきょとんとしたまま、わざと大仰に茶
碗《ちゃわん》の飯を掻《か》きこんで見せたりするだけだった。重吉は小説などを読ん....
「河童」より 著者:芥川竜之介
広い世界をのぞかせました。ゲエルは、いつも純金の匙《さじ》に珈琲《カッフェ》の茶
碗《ちゃわん》をかきまわしながら、快活にいろいろの話をしたものです。
なんでも....
「彼」より 著者:芥川竜之介
《あいそ》の善《よ》い応対をするだけだった。僕は番茶の渋《しぶ》のついた五郎八茶
碗《ごろはちぢゃわん》を手にしたまま、勝手口の外を塞《ふさ》いだ煉瓦塀《れんがべ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ら。」
「お前はちっとも知らなかったの？」
「はい、その癖ここにさっきから、御茶
碗を洗って居りましたんですが――やっぱり人間眼の悪いと申す事は、仕方のないもんで....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
命で内地から視察に来た農商務省技師の山川理学士とが、一つテエブルを囲みながら、一
碗の珈琲《コオヒイ》と一本の葉巻とに忙しさを忘れて、のどかな雑談に耽《ふけ》って....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
優《やさ》しい鬼の娘たちに恋をすることさえ忘れたのか、黙々と、しかし嬉しそうに茶
碗《ちゃわん》ほどの目の玉を赫《かがや》かせながら。……
六
人間の知らな....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《す》った揚句《あげく》、やっとそれに火をつけた。すると間もなく湯気の立つ珈琲茶
碗が、自分の卓《テエブル》の上に現れたが、それでも一度沈んだ気は、外に下りている....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
と茶の間《ま》の食卓に向った。食卓の上には、昨夜《ゆうべ》泊った叔母《おば》の茶
碗も伏せてあった。が、叔母は看護婦が、長い身じまいをすませる間《あいだ》、母の側....
「路上」より 著者:芥川竜之介
んすけ》が『鉢《はち》の木《き》』の二階へ来て見ると、野村《のむら》はもう珈琲茶
碗《コオヒイじゃわん》を前に置いて、窓の外の往来へ退屈そうな視線を落していた。俊....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
も苦しくない生計を立てていたのです。」
客は長い話を終ると、膝《ひざ》の前の茶
碗をとり上げた。が、それに唇は当てず、私《わたし》の顔へ眼をやって、静にこうつけ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
「秋山図の話はこれだけです」
王石谷《おうせきこく》は語り終ると、おもむろに一
碗の茶を啜《すす》った。
「なるほど、不思議な話です」
※南田《うんなんでん》....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
彼の勧めた林檎はいつか黄ばんだ皮の上へ一角獣の姿を現していた。（僕は木目や珈琲茶
碗の亀裂に度たび神話的動物を発見していた）一角獣は麒麟に違いなかった。僕は或敵意....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
幅の広い一枚岩の上でしたが、よくよく高い所だと見えて、中空に垂れた北斗の星が、茶
碗程の大きさに光っていました。元より人跡の絶えた山ですから、あたりはしんと静まり....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
きて清げなる小女茶を運び出でたり。忝けなしと斜に敷きたる座蒲団よりすべりてその茶
碗を取らんとするとき、女はオオと驚くに予も心付きてヤヤと愕きたり。「蘭の鉢を庭へ....