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確たる
「確たる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
確たるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
い、サア茲へ」
権田は重々しく落ち着いて「其所が即ち相談です、貴方と私との間に
確たる相談の極った上でなくては」余「相談は極ったも同じ事です、私は何の様な相談に....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
あり、先生の為でもあり、一つにして陸軍省へ出そうじゃないか。その代わり、君の事も
確たる証拠は何一つないのだから、何にもいわぬというので、私も潔く原稿を差し出しま....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
についてどうも乗気でないのであった。その理由は判然《はっきり》しないが、もちろん
確たる反証があるわけではなく、ただ漠然たる感じとして、三津子を犯人に択ぶには物足....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
れない。だがそれは運次第であって、そんなものを期待していてはいけないのであった。
確たる今後の方針をどうするか、それをきめて置かなければならない。 そのころ、乗....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人ぶりが少し訝《おか》しいと思いました。仮りにも一カ寺に手を入れるのに、もとより
確たる証拠は握っているだろうが、夜陰こうして踏み込むのはあまりに荒っぽい。そう思....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
、私は尋常では、どうせダメだと思ったから、ふと、こんなことをやる気になった。別に
確たる計算はない。蛇がでるか、何がでるか知らないが、とにかくキッカケをつくって、....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
己」と書いてから、これもまた解るような解らぬようなあいまいの中に彼のために一つの
確たる仇名が出来て、孔乙己と呼ばれるようになった。 孔乙己が店に来ると、そこに....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
チの大将は偉いのか、半キチガイの乱暴者にすぎないのか、信長が三十になっても、まだ
確たる見当はつかないのだ。 どうやら美濃を平げ、宿敵斎藤氏を岐阜から追っ払った....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
節が多い。 事実、精神については、医者のみならず、文士も、哲学者も、その実体に
確たるものを知り得ていないではないか。 小林秀雄はフロイドの方法が東大に於て使....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ようという量見を起した政党の無定見、一時しのぎのさもしい根性、未来の設計に対する
確たる見透しや理想の欠如というものは、ひどすぎた。 歴史に徴しても、無能な政府....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、会長が藤巻公爵、副会長が町田大将、その他いずれも天下の名士ぞろいでございます。
確たる証拠もなくムヤミに拘引して取調べると後の祟りが怖しゅうございますから、密偵....
「火の扉」より 著者:岸田国士
せた。 出迎えとおぼしい男女の姿もちらほらさん橋の附近に見えはするが、いずれも
確たるあてもないらしく、もしやというぐらいのあやふやな眼つきで、この人の波を遠く....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
であるからといって、反抗の趣意を申し立てるにしても、この際、反抗するだけの何らか
確たる材料がないことにおいては、対抗的に運動することも出来ないということに気が附....
「殺人迷路」より 著者:佐左木俊郎
と星田代二が同一人だということすらも、今君に会って、前科調書の結果を聞くまでは、
確たる信念は僕になかったのだから。だから、あの洋装の女が、果して浦部俊子の妹なり....
「妻」より 著者:神西清
は言わんが、彼らは士族ではない、思想もなく、理想も信仰もなく、生活の目的もなく、
確たる主義もない連中だ。あの連中の本来はただ金にあるのだ。金、金、また金さ!」私....