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「確乎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

確乎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
の愚痴のように聞えるのや、その落着かない腰には似ない、ほとんど動かすべからざる、確乎としたものであった。 「いや、よく解った、成程その主義じゃ、人の娘の体格検査....
猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
にも及ばぬ猫のことなれば、其好む所の色は燃ゆるが如き赤色であるらしい、併し是れは確乎としたことは言えないが、数回の調査は殆ど一致して居るから、先ず斯様に仮定する....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
し理論的考察で半ば空想に過ぎない。しかし、日本国体を信仰するものには戦争の絶滅は確乎たる信念でなければならぬ。八紘一宇とは戦争絶滅の姿である。口に八紘一宇を唱え....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
とによって、癩者の幸福に資する点があるとか、あるいは社会問題としての癩に貢献する確乎たる自信がないかぎり、これは芸術家――ことに映画のような娯楽的性格を持つ芸術....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
出したいと考えます」 「解除警報!」司令官は、大きく眼を開いた。「まだ早すぎる。確乎たる報告が集らぬではないか」 「閣下。例の怪放送者は、すでに先手を打って、敵....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
うか。かの女はそれを何に向って感謝すべきか。また自分よりも逞しい骨格、強い意志、確乎とした力を備えた男性という頼母しい一領土が、偶然にも自分に依ってこの世界に造....
河明り」より 著者:岡本かの子
すればこの仄かな河明りにも、私が曾て憧憬していたあわれにかそけきものの外に、何か確乎とした質量がある筈である――何かそういうものが、はっきり私に感じられて来ると....
薬草取」より 著者:泉鏡花
自分で、帯を取って〆ようとすると、それなり力が抜けて、膝を支いたので、乳母が慌て確乎抱くと、直に天鵝絨の括枕に鳩尾を圧えて、その上へ胸を伏せたですよ。 産んで....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
知しておきながら、かの燻精を変質させて送りかえすとは、片手落ちも甚だしい。われに確乎たる決意あり。しっかり説明文をよこされよ” すると、金博士が折りかえし返事....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
ほどのことがあるんですか。」 声ふるわして屹と問いぬ。 「うむ、ある。」 と確乎として、謂う時病者は傲然たりき。 お貞はかの女が時々神経に異変を来して、頭....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
柔かい筋肉とは無関係に、角化質の堅い爪が短かく尖の丸い稚ない指を屈伏させるように確乎と並んでいる。此奴の強情!と、逸作はその爪を眼で圧えながら言った。 ――そ....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
。こうした自覚をいだいて、大自然がおのれに課し与えた義務を果たそうとする者こそ、確乎たる地盤のうえに立つ者と言うべきであります。けだし彼はおのれの分を知るがゆえ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
れたからと云って、すごすご指を啣えて引込むようなお葉さんじゃアないんだから……。確乎頼むよ。」 お清の腕を掴んで又|小突いた。 「痛いよ。だッて、お前さん。角....
遁走」より 著者:葛西善蔵
解の足りなかったことに、気づいた。そしてとにかく彼は私なぞとは比較にならないほど確乎とした、緊張した、自信のある気持で活きているのだということが、私を羨ましく思....
名もなき草」より 著者:小川未明
を賦与している。また、何ものの力をもってしても、何うすることもできない。それは、確乎たる存在である。 もし、それが詩人であったなら、また、他の芸術家であったな....