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確実性
「確実性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
確実性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
器といい花火といい、十分理学的に計算出来る性質のものですから、この犯行には相当の
確実性があります。使った有毒気体は、屍体に青酸死の徴候がない所を見ると、多分砒化....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
おれは過去三ヵ月にわたって、あらゆる殺人方法について研究してみた。が、どの方法も
確実性と絶対不発見性とを具有しているものはなかった。 ただ一つちょっと面白い方....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
偵袋猫々は、この三つの事件を知っていた。それは彼の熱心と、彼の張っている監視網の
確実性によるものであろう。 彼は、極秘裡にこの三事件を並べて検討した。その結果....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
ほんとうに命がけで量を三倍にしなければならなかった。そして、たまにあるこういう不
確実性が、これまでの私の満足な気持に唯一の暗い影を投げていたのであった。ところが....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
性との価値を強調した。彼は「全人」の活動を説き、「生」そのものの事実性が、知識の
確実性の根拠であるとした。カントのアプリオリの如き不毛の主知的観念に知識の妥当性....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
法としては、本命だけ買うか、全部買うか、どちらかで、しかし、どちらにも絶対という
確実性はない。 よく人々は云う。本命を復で買っている限り絶対に確実だ、と。だが....
「推理小説論」より 著者:坂口安吾
きゲームの妙味に終始し、濫作しつつ、駄作のすくない才人であるが、トリックや推理の
確実性、合理性という点で、クリスチー女史に一歩をゆずる。読者に決定的な証拠を与え....
「省察」より 著者:デカルトルネ
理解せられないのであります。あたかもそのように、私がここに使用いたしますものは、
確実性と明証性とにおきまして幾何学に関することがらと同等あるいはこれを凌駕しさえ....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
うして物語に綴るとしても、何かそういう貨幣のような、物的参考があるということは、
確実性を現わす上に、非常に便利に思われた。 私は遠慮なく借りることにした。 ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
った。事変の輪郭は恭一からの電話と変わりはなかったが、もっとくわしく、具体的で、
確実性があった。 叛乱に参加したのは、近衛歩兵第三連隊・歩兵第一、第三連隊・市....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
守ったり誘導する本能だけは生れながらにいちじるしいから、子守には人間の子守以上の
確実性が考えられるし、女だけの家族にはこの上もない保護者であろう。 もっとも、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
くて、行ないながら、持たるるもの、身読せらるるものと存じます。あなたのいわれた「
確実性」が「真実性」となりうるまでは自分のものとはいえませんね。 あなたは謙さ....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
石刻が右の獅子が沢以外、他にも二ヶ所で発見されたという。これ以て右の推測に一層の
確実性を添加したものと謂わねばならぬ。 さらにこれも前号論文の末に附記したとこ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
っして出発できないもののように見えた。 が、真に突如として、霧は晴れた、そして
確実性がくっきりと現われた。エリザベスは、それが癖の、疑惑の海の上に、長い長い間....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
究』続篇(昭和二十二年・星野書店)の要旨であって、緻密な考証によって動かしがたい
確実性にまで到達し得ている。 第四には、第九節の定家論の所で註の中に紹介した定....